ダージリン急行
本日、映画「ダージリン急行」が公開です。公開前の試写会で見る機会があったのですが、とても素敵な映画でしたので、こちらで紹介したいと思います。
疎遠だった兄弟3人が、長男の呼びかけでインド横断の列車の旅をすることなり、そこでのスピリチャルな経験を通して、失いかけた生きる意味みたいなものを取り戻していく・・・という典型的なロードムービーです。
インドの妖しく混沌とした風景、そこを走るダージリン急行の緻密に作り込まれたインテリア、個性的で愛すべきキャラクター、そして、全編で流れるキンクスやストーンズの曲。もう始まった瞬間から映画の中に引き込まれて、出演者と一緒にインドを旅しているような気分になります。そして、見終わったあとには、幸せな気持ちになると同時に、忘れかけていた何かをまた始めようかなというポジティブな気分になれます。
私がかつてインドに行った時に乗った電車は2等寝台で、この映画のような優雅な旅ではありませんでした。この3兄弟の旅の仕方が独特で、トラベラーズとしてはこれもまた見所。彼らは、革製の素敵なトランクをいくつも抱えて旅をします。豪華な列車の個室にはiPodをスピーカーにセットして同じ曲を流したり、ロウソクの火をいくつも灯し、空間を彼らの居心地の良い場所に変えてしまいます。
さらには、彼ら自身の旅程表を印刷するために、パソコンとプリンターを持ち歩いてたりします。ちょっとしたことにこだわるが故に、たくさんの荷物を抱えて旅をする姿は荷物を減らすことを良しとしてきた、旅人には新鮮で新しいヒントを与えてくれると思います。(トラベラーズノートの使い方のヒントにもなりそう。)
ちなみにこの映画の監督ウェス・アンダーソン、1969年生まれで私と同じ歳でした。すごい監督です。
あと、キンクスのこのアルバムの何曲か重要なシーンで流れてきます。このアルバムも良いですよ。