2026年3月30日

カードサイズは、スマホより軽くて小さい

 トラベラーズノート カードサイズは、小さい分ストレスなく持ち歩くことができる。僕は財布としても使っているので、外に出かけるときには必ずポケットに入れて持ち歩いている。つまり、外に出るときには、常にノートも身につけていることになる。

 たぶん、多くの現代人にとって、日常でもっとも手にする頻度の多い道具は、スマートフォンだと思う。僕自身もそうで、たとえばちょっとした待ち時間や、電車の中で、手持ち無沙汰のときには、ついスマホを手にしてSNSを見てしまう。昔だったらそんなときには本を読んでいたのに、今では本を読むときには、これから本を読むぞ、心して向き合わないと、ついスマホを手にしてしまう。

 SNSには、常に膨大な情報が流れ、ちょっと眺めているだけでも、頭のスペースは、溢れてしまいそうになる。その上、下世話な話題に、心が沈むような情報も多い。さらに想像力の欠けた一方的な意見に、安全な場所から匿名で投げかける汚い言葉による非難の応酬。まるで対立を煽り、傷つけ合うのを目的にしているようだ。眺めているうちに自然と心が荒んでしまう。

 もちろん、SNSの良い面だってある。たとえばトラベラーズの新製品の情報も、インスタに投稿すれば、簡単に世界中の人たちに伝えられる。かつては情報を広めるのは、広告代理店やマスメディアの特権だった。けれど、今ではスマホひとつで誰でもできる。それはそれで素晴らしいことだと思う。それに、SNSには愛にあふれた心優しい声に、役に立つ情報だってたくさんある。だけど、それだけに触れるのは難しいくらい、ネガティブな情報も溢れている。

 スマートフォンに触れる時間を少しでもノートに代えてみよう。トラベラーズノート カードサイズは、スマートフォンより軽くて小さい。僕のジーパンの後ろのポケットの片方は、カードサイズでもう片方はスマホ。いつものくせでついスマホをポケットから取り出そうとしたときに、ふと思いとどまりカードサイズを手にしてみる。

 小さな画面にあふれるように流れる情報から距離を置き、自分の内面に向き合う時間にする。カードサイズに挟んでいるちっちゃなボールペンで、ノートに脈絡もなく思いついたことを書く。ただラクガキをするだけでもいい。自分の内面から湧き出てくるメッセージとフィジカルな指の動きに身を委ねる。今こそ、そんな時間が必要なのだとつくづく思う。

 AI識者によると、これからは自らの内面に向き合う行為すらも、AIが担っていくようになるそうだ。実際にAIに悩みを相談したり、誰にも言えない思いを発露する人も多いとのこと。それを否定するつもりはない。

 だけど、ときにはあえて外からの情報を遮断してみよう。そして、ノートを手にして、自分の心の奥底に意識を持っていき、忘れかけていた記憶を探りながら、過去の自分と対話する。僕にとって、クリエーションとはそうやって生まれてくるものだ。当たり前だけど、僕自身の体験や感動、悲しみや喜びの記憶は、AIのソースには存在しない。でも、そんな個人的な感情の記憶こそ、クリエーションの源であり、生きていく糧になる。

 映画「パラサイト」がアカデミー賞を受賞したときに、ポン・ジュノ監督がスピーチで引用したマーティン・スコセッシの言葉「The most personal is the most creative.(最もパーソナルなことこそが、最もクリエイティブなものになる)」に、僕は激しく同意する。

 ここ何ヶ月かカードサイズを使うようになって、あらためて思うのが、小さい分、かしこまらずに気軽に書けるということ。例えば、電車の中でラジオやポッドキャストを聴いていて、気になった情報を書き留める、なんてことはもちろん、手持ち無沙汰のときに無意味にラクガキするのもけっこう楽しい。

 ミニカラーペンシルをジッパーケースに忍ばせて、外でちょっと気になったものをスケッチするなんてことも、気軽にできる。ショップカードやチェキの写真を貼るのにもちょうどいいサイズだし、トラベラーズファクトリーのスタンプがいい具合に押せることにも気づいた。

 カードサイズの発売まであと1ヶ月弱です。発売したら、きっと手にした人がこのサイズならではの素敵な使い方や表現を見つけてくれると思うので、それも今から楽しみです。