夏の恒例行事
いよいよ夏本番です。みなさん、お元気でしょうか。
あまりの暑さで、ここのところ自転車通勤を控えている。なんとなく体が本調子でないという理由もあるのだけれど、それよりこの暑さに身の危険を感じて、「今はやめておけ」という天の声が聞こえてくるような気がするのだ。そんなわけで、最近は毎日電車で通勤している。ただ、それはそれでストレスが溜まってくる。たまには汗をたっぷりかいて自転車を漕ぐのも気持ちいい。体調が戻ったら、試してみようかな、なんて思っている。
この時期は、毎年夏の恒例行事になっているトラベラーズタイムズの制作のタイミングでもある。毎年、どんな内容にするのか決めるまでは落ち着かないのだけど、今年は素直にトラベラーズノート20周年をテーマにした。先週末に締切りギリギリまで原稿を書き、レイアウトも終えて、あとは最終の校正作業を残すのみ。なんとか予定通り入稿できそうです。
年1回発行のトラベラーズタイムズも今回で21号目となる。過去の表紙を並べてみると、それなりに壮観で、ベテランミュージシャンのアルバム・ジャケットみたいだ。それぞれ発行されたときのことを思い返しながら、とにかく愚直に飽きずに続けてきたことこそ、僕らが誇れることなのかもしれないと思った。
そういえば、結成して60年以上になるローリング・ストーンズが、最近新作をリリースして話題になっている。早速聴いてみると、まさにストーンズとしか言いようのない音だった。ミック・ジャガーは83歳、キース・リチャーズは82歳になって、相変わらず愚直に彼ららしいロックンロールを鳴らし続ける姿には、素直に敬服する。キープ・オン・ロックンロールだ。ただ、個人的にはここ最近のジャケットのデザインは好きになれないなあ。黄金期にはあれだけとんがってかっこいいジャケットだったのに。いや、あくまでも個人的な好みの問題なんだけど、時代が経つと印象も変わってくるのだろうか。
それはそれとして、手前味噌ながら、トラベラーズタイムズ21号もいい感じで仕上がっていると思うので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。
夏の恒例行事といえば、先週末に今年も隅田川の花火大会が開催された。うちは隅田川からそれほど遠くない。花火のドーンという音は聞こえてくるし、高く上がる花火だったら玄関からも見ることができる。花火が始まると、早速外に出て眺めた。ただ、場所柄見えるタイミングも途切れ途切れだし、見えるといってもそれほど大きく見えるわけでもない。しばらく眺めると、もういいかなと思って、いつものように自転車に乗って銭湯へ行くことにした。
銭湯はさらに隅田川の近くにある。銭湯までの道すがら花火の音はだんだん大きくなってきた。建物の間から花火が見える場所を見つけると、自転車を止めて少し眺めた。そして、列を連なって歩く大勢の花火見物客を横目に、銭湯へ向かって再び自転車を走らせた。
近所の人たちはみんな花火見物をしているのか、銭湯はいつもより空いていた。ガラガラの銭湯でのんびりお湯に浸かっていると、「ドン、ドン、ドン」と花火の音が聞こえてきた。ふと、その音がニュースで見た、戦場の爆撃音に似ていることに気づいた。ガザ地区やウクライナ、イランなどでは人々を傷つけ、恐怖に震えさせる音が、ここでは人々を楽しませるための音になる。すべての爆撃音が花火の音だったらいいのにな、なんてことを思った。
花火大会が終わるのに合わせて、風呂場には人が増えてきた。僕は風呂を出ると、待合室で瓶のサイダーを飲んだ。そして飲み終わると、100円玉を入れてマッサージチェアに身を預けた。銭湯を出ると、町には浴衣姿の人もいて、花火後の賑わいが少し残っていた。夜になり少し涼しくなった風が気持ちいい。夏の夜に、花火、銭湯、サイダー。それでもう十分だな。今年の夏もけっこう手強そうだけど、ささやかな楽しみを見つけて、やり過ごしていきましょう。
トラベラーズタイムズは、今年も9月にトラベラーズノートの2027年ダイアリーコレクションの発売とともに発行される予定です。秋の夜長に(といっても9月はまだ暑いかもしれませんが)トラベラーズタイムズ、ダイアリー、それにアイスコーヒーなんかで過ごしてもらえたら嬉しいです。