2008年6月25日

TRAVELING WILBURYS

長らく廃盤なっていたTraveling Wilburysのアルバムが昨年再発売されていたことが分かり、最近購入しました。
 
旅するウィルベリー兄弟のバンド、トラベリング・ウィルベリーズは、1988年に突然あらわれた覆面バンドで、メンバーがジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、トム・ペティー、ジェフ・リン、ロイ・オービソンというそうそうたる面々。それぞれの所属レーベルの関係で~・ウィルベリーという偽名でレコードを出していました。そのメンバー、日本で例えるなら、山下達郎、忌野清志郎、桑田佳祐、細野晴臣、それに坂本九が加わってバンドを組んだといった感じかな(あくまでもイメージですけど)。
 
あらためて聴いて思うのは、ロイ・オービソンの圧倒的な存在感(上のメンバーでいうと坂本九ですね)。彼がリードボーカルをとっているNot Alone Any Moreが素晴らしすぎ。ロイ・オービソンというと映画の主題歌になった曲、プリティーウーマンが有名ですが、彼しか出せない透き通るようなファルセットボイスは、ぞくぞくするほど甘く美しいです。
 
CDのおまけでDVDが付いていて、レコーディング風景の映像を見る事ができるのですが、これも素晴らしい出来。音楽が好きな人たちが、憧れの歌手(ロイ・オービソン)と一緒にバンドをやれることが楽しくてしょうがない感じが伝わってきます。ロック史上最高の詩人ボブ・ディラン、ロック史上最高のバンド・ビートルズの元メンバーのジョージ・ハリソンたちが、「ロイ・オービソンがメンバーなんだぜ!」なんて言いながらわくわくして曲を作ったり、レコーディングしたりしているんです。良い音楽が生まれない訳がありません。
 
このアルバム完成後、ロイ・オービソンは心筋梗塞で亡くなってしまいます。2曲目のシングルのPVでは、演奏するメンバーの中、彼だけが不在で、グレッチのギターとその脇に写真が置かれています。そんな映像が涙を誘います。