2010年8月 9日

On the road to Kanazawa


 
高速道路にのって、何度目かの大きなパーキングエリアに入ると、キーを預かり運転を変わった。
 
金曜日深夜2時の高速道路は意外と車が多い。土日の割引料金がはじまっていることもあってか、長距離トラック、出張帰りの営業車、家族連れのファミリーカー、リタイアした夫婦がのんびり旅する軽自動車など、さまざまな車が視界の外から現れては消える。
 
関東エリアを越えて長野県にはいると、車はだいぶ少なくなって来た。そうなると、フロントウィンドウから見える風景は、ますます単調になる。オレンジ色の道路灯が連続して規則的に流れているのを眺めていると、まるで催眠術にかけられたみたいにまぶたが重くなってきた。
 
カーステレオから流れるブライアン・イーノのアンビエント・ミュージックが心地よく眠気を誘う。かといって、うるさい音楽に変える気にならない。バックシートに座る2人は、すっかり眠りに入っているようだ。助手席からのコーヒーを飲もうという誘いに助けられるように、パーキングに車を入れた。顔を洗って缶コーヒーを飲み、ふたたび車に乗り込むと、遠くの空が少し明るくなってきた。
 
カーステレオからはベルベット・アンダーグラウンドのSunday Morningが聴こえてきた。残念ながらその時は土曜日の朝だったけどルー・リードがつぶやくように歌うメロウなサウンドは、朝もやのぼんやりした風景にはぴったりだった。
 
トンネルを抜けるたびに空が明るくなり、視界が広がっていく。走行距離が400kmを越えた頃、日本海が見えた。もう少しで金沢というところでもう一度眠気に襲われ、今度は耐えきれずに運転を変わってもらった。
 
車で旅をしていると、道はどこまでも続いていることが分かる。そして、その上を走って行けばどこへでも行くことができる。疲れたら車で眠ることもできるし、交代で運転すればノンストップでも走ることもできる。つまり、車に乗っている間は、僕らは自由でどこでも行きたいところに行ける。もっと遠くに、もっと自由に。
 

 

 
金沢に着いて、お風呂に入ると一気に眠気に襲われたようです・・・。
 

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