連休中のこと。なんとなく電車に乗って足を運んだ神奈川の小さな漁港の町では、ちょうど夏祭りだったようで、狭い路地の両側にぎっしりと露店が連なっていました。知らずに訪れたぼくは、心が浮き立ちながら、露店の間を歩きました。その路地には、歴史を感じさせる瓦屋根の土蔵やレンガ造りの建物が並んでいて、風格を感じさせながらも、今ではすっかり色あせている壁や看板が、かつて繁栄と今のギャップを物語っているようでした。
　
イカ焼きや焼そばの匂い。妖しげな原色に彩られた焼きリンゴやかき氷。金魚すくいの桶の後ろに座る少し強面のテキ屋の男に、鯉口を着てアップにした髪にねじりはちまきを巻く女の子。どこからか聞こえる御神輿の掛け声と太鼓の音。
　
旅先の漁港での夏祭りは、現実感を伴わない異世界のような雰囲気を漂わせながら、同時に郷愁を感じさせて、少年時代特有の所在ない不安感と旺盛な好奇心がまざったような気分が蘇ってきました。夏祭りは、少年にとっては、非日常の異世界があることを教えてくれて、大人の世界の楽しさや妖しさ、さらに怖さを疑似体験させてくれる場所だったような気がします。
　
さて、話は変わりますが、今週末の7月20日には、トラベラーズファクトリーでも夏祭り、TRAVELER'S SUMMER FESTIVALを開催します。アアルトコーヒーの庄野さんがトラベラーズブレンドのアイスコーヒーをいれてくれて、今回は美味しいパン屋さん、cimaiのパンがファクトリー初登場です。
　
さらに、この日はかまわぬとのコラボで作ったてぬぐいも発売日にもなりますので、ぜひ、遊びに来てください。