Fly to Seul
朝9時に羽田空港を出発したアシアナ航空の飛行機で、このブログを書いています。朝一の飛行機だったので、家を出たのは5時過ぎ。正直に言えば眠気に包まれて、頭は少しぼーっとしています。
そういえば、一週間前は中目黒で周年イベントをやっていたんだよなあ。あれから、イベントと翌週の韓国行きの狭間でただでさえ忙しいのに、ちょっとしたトラブルに終わらない会議、さらに台風もあってバタバタした一週間でした。それでもこうやって飛行機に乗って旅に出てしまえば、もうこっちのものです。
韓国は2018年に開催したイベント以来なので、8年ぶりになります。ちなみにその前の韓国でのイベントは2011年なので、7、8年という、オリンピックの倍近いインターバルでの開催が今回で3回目になるというのもなんだか感慨深く思います。20年続けるというのは、そういうことなんでしょうね。
そのぐらいのインターバルを開けて訪問すると、ソウルもけっこういろいろ変わっているようです。前回のイベント会場だったor.er(オルエル)というお店は、店名をPOINT OF VIEWと変えて、今ではソウルでもっとも人気の文具雑貨店になっています。その店がある聖水(ソンス)は、かつて製靴業で栄えたエリアで、当時は靴工場や倉庫をリノベーションしたギャラリーやカフェができつつありましたが、まだそれほど賑わいがあるとは言えない感じでした。だけど、今では街もすっかり変わって、多くの人が足を運ぶ場所になっているとのこと。8年前に訪問したときにも変化のスピードが早いと感じましたが、今回、韓国を訪れてその変化を見るのも楽しみです。
ソウルでの20周年記念イベントは、韓国最大級の文具・雑貨イベント、INVENTARIOへの出展という形での開催になります。そのことが決まったのは、今年の1月のことでした。昨年より世界各地での20周年記念イベントを計画していて、韓国だけがまだ会場を決めかねていました。
そんなタイミングで、たまたま出張で日本を訪れていたPOINT OF VIEWのオーナーとのミーティングがありました。ちょうどパートナーショップになる直前で、そのことについて話をすることが目的でした。その話が終わり、まだ決まっていない韓国でのイベント会場のことを彼らに相談すると、ならばINVENTARIOに出展するのがいい、と提案してくれたのです。彼らは、INVENTARIOの主催社のひとつでもあります。私たちは、DIY TRAVELER’S notebookもできるスペースが必要なんです、というと、そのための場所も押さえてくれるとのこと。そこからバタバタと韓国でのイベントの詳細が決まり、動き出しました。20周年を記念するイベントが、意図せず8年前のイベントと繋がるというトラベラーズらしい展開に、私たちは興奮したのを覚えています。そんなこともあって、今ではPOINT OF VIEWと名前を変えた8年前のイベント会場に再訪するのも楽しみです。
もともと韓国でトラベラーズノートを販売することになったのは、発売して2年後に、韓国でデジタル機器の代理店を営んでいたSさんが、私たちにコンタクトしてきたのが始まりでした。日本語が堪能で、仕事で頻繁に日本を訪れていたSさんが、日本の文具店でトラベラーズノートを手に入れ、それを使い続けていくうちにその魅力に惹かれ、韓国にも紹介したいと思うようになったのです。
文房具の販売経験がなく、畑違いの業界で仕事をしていることに不安はありましたが、Sさんの熱意を信じて、彼に韓国での販売を任せることにしました。今では、日本のステーショナリーが韓国で売られるのは珍しくないですが、当時は、自国にメーカーが多くあり、価格差も大きかった日本製の文房具は、筆記具を除くとほとんど見ないような時代でもありました。
その後、Sさんは、個人店よりも大企業によるチェーン店が多かったことによる、厳しい販売条件や、日本よりも早いオンラインショップの台頭など、さまざまな困難に襲われる中で、根気よくトラベラーズノートの販売を続けてくれました。そこには、自身がトラベラーズノートの愛用者であり、好きで魅せられているからこそ、自分の国の人たちに伝えたい、という熱い思いが動機となっているのを感じました。
その後、それまで続けていたデジタル機器の仕事を辞めて、今では扱う商品を、トラベラーズノートを中心に、MDノートやミドリなどのデザインフィル製品に絞り込んでいます。つまりSさんは、僕と同じようにトラベラーズノートに出会ったことによって、人生と仕事が変わってしまった人でもあるのです。
今回のイベントでも、Sさんは準備に向けて奔走してくれました。ときには先走り過ぎることもあるけれど、そんなことも含めて愛すべき存在であり、トラベラーズの仲間のような存在でもあります。
イベント準備の中で、Sさんが、イベント用にTシャツを作りましょうと提案してくれました。みんなでトラベラーズのお揃いのTシャツを着たら、盛り上がるでしょ、とSさん。それを受けて、橋本がトラベラーズのオリジナルTシャツをデザインしてくれました。ということで、韓国イベントはスタッフ一同お揃いのTシャツで臨みます。久しぶりの韓国。トラベラーズノートを手にした皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。
話は変わりますが、最近リリースされた、ポール・マッカートニーのアルバムを聴きながら、このブログを書いてましたが、これがなかなかいい。御年83歳(翌週には84歳)のアーティストとは思えないほど、瑞々しく軽やか。ロックンロールのレジェンドのような存在で、地位も名誉もお金だってもう十分なくらい手にいているはずなのに、その創作意欲はどこからくるのでしょう。彼のような存在を見ると、トラベラーズノートの20周年なんて、まだまだだなあ、なんて思います。