2026年1月13日

年始イベント

 正月休みが明けると、今年もトラベラーズファクトリー中目黒を大掃除して、週末には年始イベント。ここ数年のルーティンのように繰り返している年始の行事がまずは一段落した。そうすると、完全に正月気分もなくなっていつもの日常が戻ってきた感覚になる。ハロー日常、今年もしばらくやっかいになります。それなりの幸せと、なるべく小さな困難がほどほどにある。そんな日常をよろしくお願いします。

 今年のトラベラーズファクトリーの年始イベントは、混雑の回避と転売対策のために、いつもとやり方を変えての開催となった。京都と中目黒では抽選予約制にして、ステーションでの開催は取りやめた。そのおかげもあって、僕が参加した中目黒でも、大きな混乱もなく穏やかなイベントになった(と思う)。

 ゆっくり振る舞いコーヒーを飲んでもらったり、お客さんと話しをする時間もあって、そうそうこの感じだよな、と始めたばかりの頃の年始イベントを思い出すことができた。もともと、いつもトラベラーズファクトリーに足を運んでくれているお客様に喜んでほしいと思って始めたイベントだ。イベント自体の売り上げは昨年より下がったけれど、たくさんの方の笑顔を見ることができたし、僕らも心穏やかに楽しくイベントを運営することができて、素直に良かったと思えた。

 もちろん、抽選予約というやり方に疑問がないわけではない。お客さんに面倒な手続きを行なってもらう必要があるし、抽選だからご希望の方をすべて受け入れることができない。それに店が開いているのに、旅先で立ち寄ったり、思い立ってふらっと行っても中に入ることができないなんて、正直に言えば店としてどうかと思う。とにかく、いろいろ試行錯誤しながら、なるべく皆様に負担や迷惑をかけず、喜んでいただける方法を探っていきたいと思います。なにとぞご理解いただけたら幸いです。そんな感じで、今年も日々考え、悩みながらやっていくことになると思います。

 思えばトラベラーズファクトリーをオープンしようとしてから、ずっと悩みの連続だった気がする。まずは店を始めることに悩み、場所を決めるのに悩み、オープンしたら在庫が多かったり、少なかったり、お客さんが少なかったり、集中してしまったり、スタッフが突然足りなくなったり。エアポートもステーションも京都も、話があったときに無条件でオープンしようと決めたわけでもなく、それなりに悩んだ上で決断した。

 コロナ禍のときには、突然店を閉めなくてはならなかったし、再開してもしばらくお客さんが少ない日々が続いた。その後、ありがたいことにお客さんが増えていくことになっても、それはそれでまた別の悩みが生まれる。失敗したり、ご迷惑をかけて、お客さんから悲しい言葉を聞いたり、お叱りを受ければ、当然心は痛む。とにかく15年の間、いつもバタバタし続けていて、落ち着いたなんて思うことは一度もなかった。

 今年は、トラベラーズノートが生まれて20年、トラベラーズファクトリーが生まれて15年になる。20年やってきて思うのは、常に悩みは尽きないということ。だけど、一方で悩みがあるというのも健全な状態であるとも思っている。自分たちの理想があるから悩むわけで、いまだにトラベラーズノートもトラベラーズファクトリーも未完成で、道半ばな状態なのだ。

 だいたい、物事の白と黒の境界線なんてあいまいで、ふと気がつけばある日突然入れ替わってしまうようなものでもある。正義と悪、本物と偽物、いいものとわるいもの、かっこいいこととかっこ悪いこと。そんなものは、すべて誰かの主観に基づいた意見でしかなく、明確な答えなんてどこにもない。当然失敗もするし、間違いを犯してしまうこともあるかもしれない。だからこそ、僕らは悩みながら、自分の経験や直感を信じていくしかないのだと思う。その経験と直感を研ぎ澄ますために、僕らは旅をして、本を読んで、物語に触れ、ノートに記録をする。

 イベントが終わった休日、これもトラベラーズファクトリーの1月の恒例イベント、コーヒーテーブルトリップで手に入れたアアルトコーヒーのコーヒー豆、マンデリンを淹れて飲んだ。久しぶりのマンデリンは深煎りならではの苦味と甘味が感じられてやっぱりおいしい。

 ただいま、トラベラーズファクトリー各店では、アアルトコーヒーのブレンドやストレート豆などが9種類並んでいます。たぶん、アアルトコーヒーのお店よりもたくさん並んでいるんじゃないかな。 さらに京都のかもがわカフェからも2種類の豆が届いています。というわけで、コーヒー屋さんを凌ぐほどの品揃えになっています。この機会にぜひ。