2026年6月15日

TRAVELER'S COMPANY CARAVAN in Seoul

 羽田から飛び立った飛行機は、2時間と少しで金浦空港に降り立った。そして、空港から電車で30分もかからず、INVENTARIOの近くにあるホテルに着いた。朝、家を出て、その日のお昼過ぎにはソウルのホテルにチェックインができる。8年ぶりの韓国への旅の印象は、まずはその近さだった。気分としては、京都に行くのとそれほど変わらない。

 ホテルの近くのカフェで少し休んだあと、その日はパートナーショップのPOINT OF VIEWがある聖水(ソンス)に向かった。話に聞いていた通り、聖水は8年前に訪れたときとは見違えるほどの賑わいを見せていた。まずは、パートナーショップのページで、POINT OF VIEWのオーナーがおすすめスポットとして紹介しているMOVIE LANDに向かった。

 ここは2年前にできたばかりの映画館で、デザイン会社が運営しているわずか30席のミニシアター。ロゴの下に「A PLACE FOR DIGGING DUSTY GEMS(埃をかぶった宝石を掘り出す場所)」とのメッセージが掲げられているように、新作ではなく古くて知られざる名画を公開している。毎月さまざまな職業のキュレーターを設定し、彼らがセレクトする映画を公開している。この映画館の特徴は、デザイン会社らしく、そのとき上映する映画のポスターとチケットを自分たちの解釈でデザインしていること。同じデザインでTシャツか缶バッジなどのグッズも作っていて、それらも素敵でおもしろい。この日は、運良くオーナーもいて、アポなしで訪れた僕たちを劇場内に案内してくれた。そして、いつかコラボレーションなんてできたらいいね、なんて話をして別れた。

 店名を変えてからはじめて訪れたPOINT OF VIEWは、商品のセレクトからディスプレイ、店内の雰囲気、どれをとっても本当に素晴らしい店だった。その店名のとおり、あるひとつの視点で丁寧に作られた空間やプロダクトたちが、高揚感とともに自分に新しい視点を与えてくれる。トラベラーズノートのコーナーも素晴らしく、ここに並んでいるのが誇らしく思える。たくさんの刺激とともに、襟を正してもらったような気分になった。

 ソウルでは、イベントの合間を縫って、他にもステーショナリーショップやカフェに書店などを見て回ったけれど、そのクオリティーや文化的な発信力は8年前よりも高まっているように感じた。そういえば、あれから韓国映画がアカデミー賞作品賞を取り、K-POPは世界的に影響力を与える音楽になっている。ソウルの街からは、そんな自信みたいなものが溢れているように思った。

 そして、トラベラーズカンパニーキャラバンの20周年イベントの会場でもあるINVENTARIOの初日。開催時間前に会場に着き、現地ディストリビューターのスタッフの皆さんとバタバタしながら、最終の調整をしているうちに、オープンの時間を迎えた。すると、たくさんの方が最初にトラベラーズのブースに足を運んでくれて、ブースの前はあっという間に大行列になった。韓国でトラベラーズノートが販売されるようになって18年。その2年後に開催した最初のイベントでは、閑散とした時間もあった。今では、あのときとは比べ物にならないほど多くのトラベラーズノートの愛用者が韓国にいるのを実感できた。

 ブースの奥にあるワークショップ・スペースでは、スタンプコーナーや20周年の歴史の展示とあわせて、DIY TRAVELER’S notebookのワークショップを開催。こちらもたくさんの方がノート作りを楽しんでくれた。韓国では、どちらかというとカラフルな紙より、筆記に適したMD用紙などを選ぶ方が多いのが興味深かった。彼らのノートを見せてもらうと、小さく書かれたハングル文字がたっぷり並んでいる紙面が多い。文字をしっかり書くことが好きな方が多いんでしょうね。

 朝から夜まで、バタバタとブース内を駆け回りながら、2日間のDIY TRAVELER’S notebookの日程は、あっという間に終わった。その頃には、ブースを手伝ってくれたスタッフたちともすっかり意気投合して、興奮が冷めやらない中で、翌日からの日曜日まで続くINVENTARIO内でのブースの運営を託して、日本に帰国した。

 先週も書いたけれど、韓国でのトラベラーズのイベントは2011年に始まり、7〜8年の間隔で今回3回目を迎えている。

「次の韓国のイベントは、また8年後になんでしょうかね。でも、その頃には僕は65歳だから、来れないかもしれないですね」なんて、打ち上げで冗談を言ったけれど、韓国は、朝に家を出ればお昼には着いてしまう、日本と最も近い国。今回の出張では、今後何かができそうな新しい出会いもあったし、ソウル以外の街も訪れてみたい。もっと頻繁に訪れる機会を作りたいと思った。

 さて、韓国といえば日本人にも馴染みのあるおいしい食べ物も大きな魅力のひとつ。そのあたりは来週紹介したいと思います。