2025年にリリースしたプロダクトたち
あっという間に12月に突入し、すでに1週目が終わろうとしている。もうすぐ今年も終わってしまう。トラベラーズ的には、LOVE &TRIPの1年が終わり、トラベラーズスピリットの年が始まろうとしている。
LOVE &TRIPの1年と言いながらも、世界を見るとむしろその逆の方向にさらに進んでいっているように思える。相変わらず戦争は続いているし、いたるところで対立を煽るような発信も多い。そんな状況に心が暗くなるけれど、とにかくトラベラーズとしては、これからもLOVE &TRIPを推奨していきたい。
そして、来年はトラベラーズスピリットの1年になる。20周年を迎えるにあたって、トラベラーズの原点に立ち返るような1年にしたいと思っている。20年前、作り手である自分たち自身をターゲットに決めて、自分たちが好きなことを追求していこうとトラベラーズノートの世界を作っていったあの頃の気持ちに立ち返り、なにより自分自身に誠実な1年にしたいと思っている。
チェンマイの工房に依頼していたトラベラーズノートの試作が届き、最初に手にしたときに、これを持って旅に出たくなったあの感覚に忠実に、たくさん旅をしたい。
トラベラーズノートの「トラベラー」が意味するのは、行為としての旅だけでなく、生きる姿勢として旅を意味している。クラッシュのジョー・ストラマーが「パンクはスタイルでなくアティチュード」と言ったように、フリースピリットを持った旅人として世界を眺め、旅人として生きていくことを意味している。自分の旅人としてのアイデンティティーを表明してくれるような存在になってほしくて、トラベラーズノートと名付けたのだ。
旅を愛し、旅先では笑顔を忘れず、現地の人たちと語り合う。その土地の料理を味わい、文化を大切にする。紙と手書きが好きで、思い出はノートに記し、感動は心に刻む。前人未踏の地に足を踏み入れる気概を持ち、風の吹くまま、気の向くまま、好きな場所へ自由に旅をする。
音楽や本、映画やアートが好きで、グローバルチェーンではなく、人の顔が見える食堂やコーヒー屋で食べたり飲んだりしたい。人種とか国籍、世代や所属する組織で人を判断せずに、ひとりの人間として付き合いたい。世間の評判やデータ、AIよりも自分のリアルな感情と直感を信じて進んでいく。
ここではないどこか遠くへ移動するのが喜びで、孤独を愛しながらも、旅先で出会った仲間と好きなことを語り合い、同時に他の人の好きなことも尊重する。ヘイトではなくラブに向き合う。それがトラベラーズスピリットだ。
現在、20周年を象徴できるような新しいプロダクトを企画中で、記念イベントもたくさん行いたいと思っている。まだ計画はどれもぼんやりとした段階で、具体的に決まっていないことばかりだけど、とにかく来年は忙しくなりそうな気だけはしている。せっかくの20周年。僕らも、これを読んでくれている方もトラベラーズノートで楽しめる1年にしたいと思っています。
ここ数年、毎年年末が近くなると、その年にリリースしたプロダクトの絵を描いている。長かったような短かったような今年1年間に作ったものを描いていると、それぞれの作った過程を思い出す。ああ、あれは大変だった、とか、喜んでもらえてよかった、とか、どのプロダクトにも物語がある。年末のこの時期に、そんな物語にあらためて思いを馳せるのは意義深い、
あと、描いてみて思ったのは、ここで描いたプロダクトのほとんどが2025年になってから作ることが決まったということ。昨年の今頃にその内容が決まっていたのは、4月に発売したトラベラーズノート LOVE AND TRIPくらいかな。もちろん、ダイアリーを作ることは決めていたけれど、そのテーマはまったく考えられていなかった。コラボレーションも、動き出したのはどれも2025年になってからだ。
だいたいそんなスケジュールで作っているので(もちろん早く決めておくに越したことはないんだけど、いつもギリギリになってしまう)、今の時点で2026年にどんなプロダクトがリリースされるのかは、僕にもまだわかりません。
そんな中ではありますが、今週、久しぶりにタイのチェンマイに行ってきます。来年発売する新しいプロダクトのチェックもあるのだけど(もちろん、すでに決まっているものもある)、それ以外にもいろいろ課題があるので、できる限り解決できればと思っています。