食人国旅行記
最近発見した渋谷駅近くの古本屋、Flying booksはいい感じの品揃え。それほど大きくない店内にもかかわらず1時間近くも本棚を巡ってしまいました。
欲しい本はたくさんあったのですが、結局買ったのはサドの「食人国旅行記」とスタジオ・ヴォイスのバックナンバーを2冊。
澁澤龍彦やサドは学生時代に何冊か読みましたが、その社会的反逆性や知的な世界観は、ロックに浸かっていた当時の心情にぴったりとはまったのを覚えています。もちろん中世の色っぽさや倒錯した性、妖しげな世界も読む大きな動機になってました。
そのサド&澁澤龍彦の作品で、まだ読んだことのない「食人国旅行記」をFlying booksを見つけ、いかにも妖しい題名と旅行記という部分に惹かれ買ってしまいました。
さらわれてしまった新妻をさがして、冒険の旅をする主人公が奇怪な国を訪ねるお話。
サドの本としてちょっと異色な感じであまりドロドロしていなく、ガリヴァー旅行記を思わせる風刺のきいたお話。当時のサドが考える反ユートピアとユートピアの国への旅を疑似体験できます。