2010年6月17日

たぶん彼女は豆を挽く


 
ここで何度も紹介しているaalto coffeeの庄野さんが本を出版しました。タイトルは「たぶん彼女は豆を挽く」です。ずいぶん思わせぶりなタイトルですが、コーヒーへの愛情にあふれた本です。
 
私も昔からコーヒーは大好きでした。だから、カフェも好きだし、豆を挽いていれたりもします。庄野さんも同じようにコーヒーが大好きだったようです。でも、豆を挽いたりカフェで飲んだりするだけではなく、その先をきちんと追求しました。
 
その想いのカタチが、aalto coffeeというカフェであり、彼の焙煎するコーヒー豆なのです。だからこそ、彼のコーヒーの淹れ方から焙煎へのこだわりも、彼の生き方そのもの。まっすぐで正直で熱くて、ロマンチック。そんなコーヒーです。そして、大好きなコーヒーをもっと気軽にたくさんの人に味わってほしいという想いで、この本が出来上がったのです。
 
この本は、大きく分けるとレコードのA面とB面のように2部構成になっています。(今となっては死語なのかもしれませんが)A面は、コーヒーの淹れ方。道具や豆の説明から始まり、料理研究家の堀井和子さんとの対談形式でコーヒーの淹れ方が綴られています。B面は、アアルトコーヒーができるまで。コーヒー好きの素人だった庄野さんが脱サラをして、プロフェッショナルのロースターになるまでのストーリーがin-kyoの中川ちえさんとの対談を交えながら綴られています。
 
庄野さんは、話をするとほんとうに熱くてロマンチックなことや純粋な夢を恥ずかしげなく自信を持って語ってくれます。でも、それは自分の好きな事を自分だけの責任において追求して、きちんとカタチにできているからこそ言えることでもあるんですよね。だから、自信があっても謙虚で愛にあふれています。
 
そんな彼の言葉は眩しくて、向き合うのにちょっとだけこちらの気持ちを高ぶらせる必要があります。でも、そうやって受け止めると、自分もがんばろうという気になるのです。きっと庄野さんに会ったことがない人もこの本を読むと同じような気持ちになるんじゃないかなと思います。
 
遠い徳島から届いたアアルトコーヒーを飲み、自然と庄野さんのことが思い浮かぶ。そして、がんばろうって思う。そんなコーヒーが飲める幸せを教えてくれる本なのです。