2011年6月29日

香港は旅人の街


 
沢木耕太郎氏の「深夜特急」の旅は香港からはじまる。ストップオーバーで少し立ち寄るつもりだったのが、その熱気ある街の魅力に取り憑かれて長居をしてしまう。そして、これからはじまる長い旅への肩慣らしをするように安宿に泊まり、ばくちに興じたり、スターフェリーに乗ったり、マーケットを歩きながら日々過ごします。
 
香港映画「恋する惑星」で、フェイ・ウォン演じる女の子と警察官が出会い恋が始まったのは、彼女が働くミッドナイトエクスプレス(深夜特急)という名の小食堂。彼女は恋をしながらも男をうまく受け入れることができず、香港からカルフォルニアへ旅立つ。その後、警察官はそのお店で働くようになり、ママス&パパスの「夢のカルフォルニア」を流しながら、彼女を待っている。
 
その「恋する惑星」で舞台となっているのは、九龍サイドの繁華街、尖沙咀の中心にある重慶マンション。安宿が集まるこの古いビルを歩くと、インドやアフリカ、中近東など世界各国からやってきた旅人たちが、商売道具が詰まっているのかやたらと大きいスーツケースを持っているのを目にすることができる。
 
香港は旅人たちが歩き、交錯する街。旅人はみな、何かを求めて街を歩き、さまよう。そして、昼はお祭りのような人々の活気にあふれ、夜は妖しく煌めき、旅人の心を高揚させてくれる。トラベラーズノートイベントの会場もまた、香港の熱気とたくさん旅人たちの高揚感に包まれていました。
 

 

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