秋の気配
8月が終ってしまいました。9月になると同時に、しばらくご無沙汰していた雨が降ってきたり、涼しい風が吹いてきたりして微かに秋の気配を感じます。夏休みが終わり、不完全気味の宿題を抱えながら学校へ行く時の憂鬱な気分を思い出してちょっと切なくなります。
そんなわけで、過ぎ行く夏を惜しみつつ、いち早く秋を見つけようと、青春18切符の余りを使って、日帰り鈍行列車の旅に行って来ました。東京から3時間ほどのんびり電車に揺られてやって来たのは、山間の静かな温泉地。駅に降り立つと、空気の匂いが変わります。途中に見つけたパン屋さんで軽くお腹を満たし、目的の温泉まで山道を歩く。
山奥の寂れた場所にある温泉は人も少なく、露天風呂は貸し切り状態でした。トンボが飛び、蝉の声が聴こてくる中、お風呂の淵に裸で立ち、山の匂いがする風を体中に浴びる。気持ちいいなあ。少しぬる目のお湯の風呂は、のんびり浸かるのにちょうど良く、何度も出たり入ったりを繰り返してお風呂を楽しみました。
風呂から出たら休憩用の座敷でごろんとなる。山に向かって開かれた窓に足を投げ出すと涼しい風が吹いてきます。すると知らないうちに眠ってしまったようで、空が薄暗くなってきた頃に肌寒さを感じて、目を覚ましました。どうやら秋は、忘れずに間違いなく確実に私たちのもとへやってきているようです。