青とともに新しい旅がまた始まる
トラベラーズノートの新しい仲間の発売前日の夜、トラベラーズファクトリーで届いたばかりの商品をテーブルに並べながら、まず感じたのは、この日を無事迎えることができたことに対する安堵感でした。
やっぱり思い出してしまうのは、4年前のこと。トラベラーズノートの5周年を記念したキャメルなど商品の発売を1週間後に控えた3月11日。あの震災があって、東京も一時的に工場や物流の機能が止まってしまい、発売の延期を決めました。その後、新たに定めた発売日を迎える時も、日本が危機的な状況のなかで、あたらしいノートを発売することにどんな意味があるのか、さらに、トラベラーズノートの存在意義ってなんだろうと深く考えさせられました。
あれから4年。津波で流されてしまった義実家は、先月末にやっと新しい家ができて、狭いアパート暮らしから解放されました。しかし、何代も受け継いできた土地にはもう建てることができず、それは別の場所にあります。東北では日常を取り戻しつつあったり、取り戻そうと今も必死に奮闘していたり、何かを喪失してしまったまま失意のなかにいたり、あの震災の影響をさまざまな形で受けながら暮らす人々がいます。ぼくらもまた、新しいトラベラーズノートの仲間たちを店頭に並べながら、そのことに想いを馳せつつ、無事に発売日を迎えることができたことに対し、安堵と感謝の気持ちでいっぱいになっていました。
そして3月13日の発売日。トラベラーズファクトリーには、ぼくらの予想を遥かに超える多くの方々が足を運んでくれました。あの小さな空間が旅人たちで一杯になり、皆さんが笑顔でノートを手にする。そのことに再び、また別の意味で安堵と感謝の気持ちでいっぱいになり、そして、これほど多くの方々にトラベラーズノートが愛されていることをあらためて知ることに、感動するとともに大きな勇気をもらうことができました。
トラベラーズノートは、いつだってぼくらを新しい旅へと誘い、わくわくするような新しい世界へと導いてくれました。そして、そう感じてくれている人は、ぼくらだけではなくて、こんなにもたくさんいる。その想いの集積がトラベラーズノートにさらなる魅力と不思議な力を与えてくれている。
トラベラーズノートは、そんな幸せなノートであり、それこそ、このノートの存在意義なのかもしれません。だからこそ、トラベラーズノートとの旅は、まだまだこれからも続きます。
そんななか、トラベラーズファクトリーでは翌日の土曜日に、ブルーエディションが早々に品切れとなり、ご迷惑をおかけしてしまいました。現在、ブルーエディションやパンナムとのコラボ商品は追加の生産もしております。また、これから店頭に並ぶお店もあると思いますので、申し訳ありませんが、少々お待ちくださいますようお願いします。
話変わって、現在トラベラーズファクトリーでは写真家のキッチンミノルさんとイラストレーター得地直美さんによる「¿Perú?」展を開催中です。土曜日には、展示を記念し、両氏と親交が深いアパレルブランド「STORE」さんの家T-シャツワークショップを開催しました。
もともとオカズデザインさんのアトリエの2階に住んでいたことで知り合ったキッチンミノルさん。トラベラーズファクトリーができてから、ずっと念願だった写真展を依頼したところ、彼の紹介で、得地さんやSTOREさんと知り合うことができて、イベントが開催できました。これもトラベラーズノートを通じて出会った新しい縁。ワークショップからいつものファクトリー2階での打ち上げまでの1日、楽しかったなあ。「¿Perú?」展は、3月30日まで開催です。ぜひ、遊びに来てください!