2016年2月 8日

1周年の頃

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トラベラーズノートが発売されて、もうすぐ1年になる頃。次の商品ラインアップを企画していて、ジッパーケースや名刺ファイル、リペアキット、両面シールなどのリフィルを作ることは決まった。それらは、トラベラーズノートらしい、ノートの新しい使い方を広げてくれたリフィルだし、今も続いているとても重要なラインアップではあるんだけど、それだけでは真面目すぎて、どこか物足りなさを感じていた。もうちょっと遊び心のあるものも欲しいなあと、デザイナーの橋本と話していた。
 
ちょうどその頃、僕らはニュースペーパーを模したフリーペーパー、トラベラーズタイムズを作ったり、社内展示会のお土産にトラベラーズカフェのロゴを入れたコーヒーを配ったりして、トラベラーズ的な何かを妄想して形にすることに面白さを感じていた。
 
その感覚は、お店屋さんごっこのような遊びと似ているのかもしれないけど、橋本がトラベラーズカフェのロゴをデザインし、カラー出力した紙を切ったり、貼ったりして、看板やショップカード、マグなどを作ってしまうと、ほんとうにカフェができてしまうようで楽しかった。その感覚をひとつの形にしたいと考えて、作ったのが、トラベラーズポスト、トラベラーズカフェ、トラベラーズエアーの3つをテーマにデザインした1周年記念の限定リフィルだった。
 
それぞれ細かい設定をしていて、例えば、トラベラーズポストは、どこにあるのかは誰も知らない異国の郵便局。ひとりで旅をしていると、そのポストマンに出会うという噂が旅人の間で密かに語られている。その噂によると、ポストマンに手紙を託すと、時間も空間も飛び越えて一番必要な時に、必要な人に届けてくれるらしい。そして、それは未来の自分だったり、出会う前の恋人なのかもしれない......。

そんな空想の物語で作られた設定をもとに橋本がデザインしたロゴや切手、ラベルなどのシールと、ノートリフィルのセットになっている。トラベラーズエアーやトラベラーズカフェも同じで、それらは今もトラベラーズファクトリーのプロダクトや空間のイメージのもとになっていたりする。
 
こうやってあらためて思い返してみると、僕らのやってることは、あの頃と比べてぜんぜん進歩していない。まあ、ぶれてないっていう言うこともできるかもしれないけどね。
 

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