TRAVELER'S COMPANY CARAVAN in Hong Kong
久しぶりの香港は、夏真っ盛りということもあって、外を歩いていると、まるでサウナにいるような熱気と湿気が襲ってきて、汗がだらだらと体中から流れて出てきた。耐えきれなくなって喫茶店に入り、アイスミルクティーをオーダーする。必要以上に効いたクーラーが一気に体を冷やしミルクティーの甘さが体の中に染み渡っていく。隣のテーブルでは、上半身裸のおじさんが新聞をひろげながらラーメンをすすっている。そうそう、この感じ。ぼくは、また香港に戻ってきたこと実感し、嬉しくなった。
何度も書いたように、僕にとって香港は海外で最も訪れている大好きな都市だし、スターフェリーやトラムとのコラボレーションなど、トラベラーズノートとの縁も深い場所。トラベラーズノート10周年を祝うイベントをここで開催できるのはやっぱり嬉しい。
イベントの会場のフェスティバルウォークのLOG-ONに着くと、早速、パトリックが迎えてくれた。彼との付き合いも、トラベラーズノートと同じ10年になる。まだ発売前のトラベラーズノートを見せたとき、とても気に入ってくれて、ならばと使ってレポートを送ってほしいと依頼したら、とても素敵な使い方をした写真をたくさん送ってくれた。
ぼくらは、それらをトラベラーズノートのサイトと、トラベラーズタイムズに掲載し、彼は、海外の友人たちにトラベラーズノートを紹介してくれた。今、海外でもトラベラーズノートが少しずつ知られるようになってきたのは彼のおかげでもあるし、さらにその後、スターフェリーや香港トラムとぼくらを繋げてくれたりして、トラベラーズノートにとっては、パトリックは最も大切な仲間の一人なのです。
イベントには、今回もほんとうにたくさんの方が足を運んでくれました。香港の方はもちろん、台湾や中国、アメリカからも来てくれて、さらに旅行中の日本の方も貴重な旅の時間をノートバイキングにさいてくれたりして、ほんとうに嬉しかったなあ。かなりお待たせしてしまって、ご迷惑もおかけしてしまったのですが、みんな笑顔で楽しそうに紙を選んだり、リングを綴じるのを眺めたり、カスタマイズをしてくれていて、香港に来てよかったなあとしみじみを思いました。
イベントが終わった翌日には、パトリックが1日時間をさいて香港を案内してくれた。数年前に見た時より、いくつか素敵なお店が
増えていたけど、僕が好きな香港の空気は、まったく変わっていないように感じた。洗練と粗雑が同居し、誰にも居場所がある
ような懐の深さがこの街の魅力であり、それがトラベラーズノートとどこか似ているような気がする。
途中から、彼の友人のスイスから来た女性も合流した。彼女もまたパトリックの影響からトラベラーズノートユーザーになった一人で、だからぼくらはすぐに打ち解けた。最後に老舗の中華料理店で夕食を食べた後、喧騒あふれる蘭桂坊のバーでビールで乾杯して香港の最後の夜を楽しんだ。やっぱりぼくらは、香港が大好きだ。ぼくらはそう遠くない未来の再訪を誓った。