2017年9月11日

OZmagazine TRAVELER'S FACTORY

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まだインターネットがなかった時代、雑誌は、テレビや新聞では扱われることがない情報を得るための数少ない手段のひとつだった。音楽を聴くようになった中学生の頃、FM雑誌を買ってラジオをエアチェックし、ロック雑誌からその背後にあるストーリーを知った。当時は、FM雑誌やロック雑誌は何種類もあって、それぞれが独自の編集方針で特徴を出していた。自分の好みの雑誌が分かると定期的に購入し、貪るように読んだ。
 
中学生なのに背伸びをしてバイク雑誌を買って、オートバイで世界を走る姿を想像したり、アウトドア雑誌を読みながら、荒野を一人で生きていく姿に憧れたり、さらにファッションもアートもカルチャーも雑誌を読むことで学んでいった。旅先の情報や街のことだって雑誌から教えてもらうことが多かった。極端に言ってしまえば、学校では教えてくれない大切なことの多くは雑誌から教えてもらい、今の自分の人格形成に大きな影響を与えてくれた。だから僕らにとって雑誌は憧れの存在だし、僕らが、トラベラーズタイムズやプレスを作るのは、その憧れを形にしたかったのが一番の理由だ。
 
週末トラベラーズファクトリーでオズマガジン編集スタッフ方々と「中目黒よりみちノートイベント」を開催した。
 
オズマガジンは、僕らも旅先や街の情報を参考にさせてもらうことが多い、大好きな雑誌。数ある街や旅の情報誌の中でも、丁寧に愛情を持ってお店や作り手のことを伝えてようとする編集姿勢がすばらしく、Ko'da Styleのこうださんをはじめ、オズマガジンの紙面から知って、今でも仲良くさせてもらっている方もいたりする。トラベラーズファクトリーも何度か掲載してもらったこともあるんだけど、取り上げてもらった時は本当に嬉しかったのを覚えている。
 
オズマガジンには巻頭には編集長の言葉があり、僕はいつもそこから読み始める。優しい温かい言葉でありながら、強い意志と深い思いが伝わる決意表明のようで、同じものづくりに携わる物としても共感を感じながら読んでいる。

そんなこともあり、今回のイベントの開催は、僕らにとっても楽しみであり、嬉しいことだった。前半は、オズマガジン30周年を記念して作られた「よりみちノート」のカスタマイズイベントを開催。みんな楽しそうにノートに紙を貼ったり、スタンプを押している姿が印象的だったなあ。会場では、編集スタッフが書いた「よりみちノート」の中目黒のページを展示した。
 
細かい字で整然とカフェ情報を記しているノートに枠をあまり気にせずざっくりと人間観察が書かれたノートなど、どれも編集のプロならではのテーマ性が感じられるのと同時に、その人柄も感じられるのがオズマガジンらしいなと思った。

そして後半は古川編集長とのトークショー。仕事に対する姿勢や考え方だけでなく、本や音楽まで話すほどに共感をするところが多くて、その後の打ち上げでも話が尽きることがなく盛り上がった。
 
編集長が言っていた、自分たちが納得できることを責任を持って丁寧に伝えていきたいということは、シンプルだけど、とても難しく大変なことでもある。今回のイベントを取りまとめてくれた編集スタッフの久万田さんは、取材で深夜バスで金沢行くために打ち上げの途中で抜けていった。疲れた顔も見せずに笑顔で旅立っていく姿に、オズマガジンの丁寧で温かい紙面の裏側にある心意気みたいなものを感じて、僕らも身の引き締まる思いになった。オズマガジンさんでは雑誌とあわせて、こちらのサイトでもオズマガジンらしい素敵な発信をしているのでぜひチェックしてみてください。
 
イベントに足を運んでくれたたくさんの皆様ありがとうございます。久しぶりのイベントで、来てくれた皆様とゆっくり話をしたり、ハワイやLAに台湾など、世界中から来てくれているのを知ることができたのも嬉しい時間でした。やっぱりライブは楽しいですね。年内にはまたいくつかイベントを行う予定ですのでぜひこちらも楽しみにしてください。そして、忙しい中、ともにイベントを開催してくれたオズマガジンスタッフの皆様もありがとうございます。また一緒に楽しいことができたら嬉しいです。
 
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