2020年8月 3日

今年の夏はいつもと違うから

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先週は急に立て込んできた仕事の合間を縫って、9月に発行予定のトラベラーズタイムズの原稿をちょこちょこ書いていた。きっと皆さんも同じだと思うけれど、今年の春から夏にかけて、以前から計画していた予定の多くが中止になったり、延期になったり、形を変えざるを得なくなったりした。開催を予定していた海外のイベントは、今ではいつかできたらいいなと思うような、漠然とした将来の夢みたいになってしまったし、進めることができずに道半ばで頓挫している計画もたくさんある。
 
今回のトラベラーズタイムズも、当初はトラベラーズファクトリー京都のオープンもあるし、京都や日本の旅をフィーチャーしたものにしようと考えていたけれど、今この状況でリアルな旅をテーマにするのは、なんだか空々しくて現実感が伴わないような気がして、内容を変更をすることにした。そして想像の旅が新たなテーマに決まった。まだどんな風に仕上がるか分からないけれど、これはこれでトラベラーズらしいテーマになったと思っている。

そもそもトラベラーズの世界は、妄想からはじまったようなところがある。トラベラーズタイムズは、トラベラーズのニュースペーパーがあったらどんなものだろうという妄想をきっかけに作りはじめたし、トラベラーズカフェを妄想し、流山工場の食堂に1日だけのカフェを作ってみたり、架空の航空会社トラベラーズエアーを妄想し、機内グッズを作るようにプロダクトを作ったりもした。トラベラーズファクトリーだってトラベラーズの基地を作りたいという妄想がはじまりだった。

トラベラーズノートを手にした時に、なぜかそういった妄想がどんどん膨らんで、その時感じたワクワクを形にしていくことでトラベラーズの世界が広がったのだ。そんなことを考えていくと、想像の旅というのはトラベラーズノートに最もふさわしいテーマのような気がしてきた。

先週、8月になってやっと長い梅雨が明けて、いよいよ夏が本格的にはじまった。今年の夏は、諦めないといけないことがたくさんあるのだけれど、逆にこれまで考えてもいなかったことが実現できるかもしれないとも考えている。それを楽しめたらいいなと思う。

今、先々のことは予測不能で、世界は不確かな情報にあふれている。検索サイトを調べても、データを何度も繰り返し眺めても、たくさんの人に意見を聞いてみたって、正しい答えなんてどこにもない。コンビニエンスストアの中を何度も歩き回ってすべての棚を隅から隅まで探してみても、アマゾンの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」を何度クリックし続けても、そんなものはどこにも売っていない。何がうまくいくのか、いかないのか、何が正しいのか、正しくないのか、そんなことは僕はもちろん、他の誰にも分からない。

だからこそ、それぞれが想像して妄想して深く考えて、ワクワクを見つけることが大事なのかもしれない。そして、ワクワクがぼんやり頭のなかに浮かんできたら、どこかに消えて無くなってしまわないようにノートに書き留める。それを仲間に見せてワクワクが共有できればいつかきっと実現できるはず。

今年の夏はいつもと違うから今まで考えもしなかったようなワクワクが見つかるかもしれないし、たくさん想像の旅をしてみようかな。みなさまもぜひ。
 
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