2008年7月 9日

魅惑の活版印刷

活版印刷という印刷方法があります。活字を組み合わせた版で印刷する方法です。さらに凸版や樹脂版を使って同じ印刷機で印刷することも広くは活版印刷と呼ばれます。古くから伝わる伝統的な印刷方法ですが、DTPによる印刷のデジタル化が進む現在では活版で印刷することはほとんどなくなってしまっています。
 
一方で最近、活版を見直す動きがあります。活版の良さを活かしたグラフィックデザイナーが出てきたり、活版で印刷されたポストカードが売られたりしています。
 
社内の展示会向けのデザインコンペで、前々からやってみたかった活版印刷でサンプルを作ってみました。幸い会社のスタッフのご両親で活版印刷所をやっていた方がいたのでお願いし、久しぶりに活字を組んで印刷機を動かしていただきました。
 

 
あがってきたサンプルを見ると、とても温かみのある味わい深いものが出来上がりました。活版ならではのちょっとしたカスレやにじみ、きれいなフォント。さわったり、光にかざしたりしながら、飽きずにしばらく見つめてしまいました。心に響く言葉をテーマにデザインをしたのですが、活版で印刷されると、その言葉もより心に深く伝わってくるかのようです。
 

 
活字を組んだものも見せてもらいました。昔は、本や新聞はこうやって活字を組んで印刷していたんですよね。すごいなあ。
 

 
今では決して効率的な印刷方法ではありませんが、ずっと残していきたい印刷技術だと思います。トラベラーズノートの雰囲気にもぴったり。いつか、活版で何か作りたいですね。
 
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