2008年12月22日

My Funny Valentine

土曜日の夕方、感じの良いカフェでひとりコーヒーを飲んでいました。
 
本を読もうとページを開き、活字を追っているのですが、なんだか頭の中に入ってこない。読んでいるうちに前後の話の流れが分からなくなってページを戻す、そんなことを何度か繰り返した後に、読むことを止めて本をパタンと閉じました。
 
タバコに火を付け、煙を吸い込み、ゆっくり吐き出す。そして、少し冷めたコーヒーを口に入れて、ぼんやり考え事をしました。
 
見つかった?
大切なことってどんなこと?
僕は1年後どこにいるんだろう?
今どこにいて、どこに向かっているのだろうか?
 
窓から外を見ると、さっきまで温かく差し込んでいた太陽の光が消えて空がぼんやり暗くなってました。流れている音楽が、アメリカのアコースティックなポップミュージックからモダンジャズに変わり、テーブルの上のキャンドルに火が灯されました。
 
マイ・ファニー・バレンタインの軽やかなピアノのイントロが聴きながら、残っていたコーヒーを飲み干し、もう一度本を開こうと手にとりました。しかし、少し考えて本を読むことやめることにしました。
 
コーヒーのおかわりをオーダーし、ぼんやり静かに考え事をするということをもう少しやってみようと決めました。
 
好きなことって何?
わくわくする瞬間ってどんなとき?
そして、何年後かに、どこで何をしていたいんだろうか?
好きなことにわくわくしてるんだろうか?
 
マイルス・デイビスのミュートトランペットが奏でる繊細で切ないフレーズが流れる中、頭の中のぼやけている映像は、ピントが合ってクリアになったかと思うと、すぐぼやけていく。そんなことを繰り返しています。
 
何かが見えそう、でも、まだはっきりと見えない。でも、もう少しで見えそう。その何かを捕まえるために頭の中の旅をする時間。
 
心地よい空間と素敵な音楽、そして、一杯の美味しいコーヒーとともに巡る内なる旅。そんな旅も人生には必要です。