2009年1月 8日

アイスランドの音楽


 
最近よく聴いているのが、去年の夏に出たシガーロスのアルバム。もともと陰りを持った退廃的な切なさと繊細な美しさが魅力だったシガーロス。今作はそこに、陰りが薄れてポジティブな躍動感や疾走感が加わりよりスケールの大きな素晴らしいアルバムに仕上がっています。
 
その変化は、バンドの出身地アイスランドの季節の移り変わりを思わせます。長い冬が終わり、雪が降るなかでじっと静かに過ごしてきた人々が、やってきた短い春から夏を謳歌するような、そんな喜びに満ちあふれています。ジャケットの青空の下はだかで走る姿を写したアートワークも、サウンドの躍動を象徴的に表しています。
 
アイスランドと言えば、昨年末の金融危機で国家経済が破綻する恐れがあると一時期ニュースで取り上げられていました。その後どうなったのでしょう。
 
大きな産業を持たないヨーロッパの小国アイスランドが、開放的な金融政策をとることで各国の融資を集め、1人当りのGDPで世界6位だったのが、今回の金融危機で一気に国家破綻かと言われるまでの状況になっています。
 
もともと、日本から最も遠い国の部類にはいる国で、メディアで取り上げられることが少ない国です。しかし、美しい自然に囲まれた温泉が多い島国で、漁業が盛んで捕鯨賛成国でもあり、日本と似ているところも多い国です。シガーロス以外にも、ビョークやムームなど独自の世界観を持ったミュージシャンもいます。
 
行ったことのない国ですが、いつかふらりと行ってみたい。そんな国です。
 
 

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