旅人の視点
ジム・ジャームッシュ監督の新作「リミッツ・オブ・コントロール」は、美しく刺激的な視点で切り取られた映像が魅力の映画でした。彼特有のストイックに物語性を排除した乾いた映像で、スペインの街が美しく描かれています。ここでは、殺し屋が街を歩く姿もその場所の日常のように風景に溶け込んでいます。私たちは、登場人物に感情移入することなく旅人のように傍観者としてその風景を眺めることで、想像力を刺激されていきます。ロード・ムービーとは、やはり旅人の視点を思い出させてくれることがその大きな効用なのかもしれません。
話変わって、前に作ったデジカメ用の革ケースをなくしてしまいました。しばらくは、ケースなしで使っていたのですが、無造作に鞄に放り込んでいたりするので、液晶画面に傷が付いたりしてしまいます。致命傷になる前にと、新しいケースを作りました。
革は、前に手に入れた試作品用の余り革。今回は本格的にホックも付けてみました。なかなか良い感じに仕上がったと思います。使い込んでいくうちにもっと味が出てくるのが楽しみです。お気に入りのケースに入れているだけで、手に持って出かけたくなるし、良い写真が撮れそうになるのが不思議です。カメラもまた、旅人の視点を思い出せてくれる道具なのです。