2010年4月27日

電車の中でふと考えたこと


 
電車に乗っていて眠ってしまい、急に目が覚めて次の駅はどこだろうと思い外を見る。車窓の流れる風景が、少しずつ駅のホームに近付いていくなか、駅名の表示を探す。しかし、電車の速度が遅くなっても駅名を読み取れない。止まるか止まらないかの速度まで落ちて、やっと駅名を判読することができた。そして、その時やっとそこが目的の駅であることに気付いて、慌てて電車から駆け降りる。
 
そんなことがあって、昔見た漫画ドカベンのワンシーンを思い出しました。ドカベンこと山田太郎は、特急列車に乗りながら、周りの誰も読み取ることができない通過駅の駅名を読み取ることで、動体視力を鍛えていました。通過駅どころか、速度を落としている停車駅の駅名も読む事のできない私には、豪速球の球筋を読むことなど、とうていできないことでしょう。
 
昔から映画や漫画の登場人物のそんな神業に憧れていました。例えばゴルゴ13は、新しいウィルスに感染した際その抗体を持った猿を探し出し、車の車輪を即席の遠心分離器にして血清を作り、自らを治療してしまいます。
 
ルパン三世に出てくる石川五ェ門の剣術や次元大介の拳銃みたいな技があればいいなあと思っていたし、そういえば、あののび太だって、あやとりと射撃が他の誰よりも得意でした。漫画だけでなく、仕事で職人さんや作家さんに会って、技や自分自身に絶対的な自信を持って仕事をする姿を見ると単純に憧れます。
 
少年の頃から、大人になったら他の人がすごいと思えるような技を身につけたいと憧れていましたが、結局今の自分には自慢できるような技がひとつもないことに気付きました。見た人が思わず息を飲み、悩みをスキッと解決するような、そんな技が欲しい今日この頃。