2010年6月24日

モジャ公


 
ディズニーランドが中学生の頃に出来た私にとって、子供の頃に一番影響を受けたのはミッキーマウスやディズニー映画よりも藤子不二雄の漫画でした。
 
ドラえもんやパーマン、オバケのQ太郎は、自分と同じような普通の少年がひとつの出会いをきっかけに、冒険のような日常生活を送るようになった話。
 
藤子不二雄漫画の良いところは、あり得ないんだけどぎりぎりのあり得そうな感じを残しておいてくれるところ。ドラえもんだって、どこにでもにある机の引き出しからやって来たし、その後も人生が大きく変わってしまう訳ではなく、普通の日常生活を維持しながら、普通の少年が味わうことのできない冒険を楽しんでいます。そこが、もしかしたら自分にもっていう気持ちを抱かせてくれました。漫画のなかに思いっきり感情移入する子供にとってこの要素はとても重要なことだったのでしょうね。
 
そんな藤子不二雄作品のなかで、小学生のときに好きだったのが「モジャ公」。古本屋で見つけて何度も何度も読み返した漫画です。ふとそのことを思い出し、ネットで購入し、何十年かぶりに再読をしてみました。
 
普通の少年が、宇宙からやって来た異星人とロボットに出会い、彼らと一緒に家出をして、宇宙への旅に出てしまうストーリーです。この漫画が、他の藤子不二雄漫画とちょっと違うのは、ドラえもんやパーマンのように、日常生活をキープしながら冒険を味わうのではなく、完全に日常生活を離れた旅先の世界で物語が進んでいくというところ。
 
さらに、その冒険も自殺をショーにしようする星、不治の伝染病のため破壊される星、マインドコントロールされた霊が住む星などが舞台で、仇討ちや詐欺師なども登場し、子供向けにしては重く、死や人のエゴ、残虐性を題材にしたギャグも散りばめられています。ただし、そんなテーマの重さが宇宙旅行という非現実な冒険をリアリティーを与えてくれています。
 
また、主人公が気負いなく淡々と旅を楽しむ感じが、まるで日常生活を送るように冒険の旅をしているように見えて、小学生だった私は、その生活に憧れを抱いたのを覚えています。
 
スピルバーグやルーカスが元ネタにしているのではないかと思うようなSFネタもたくさん。子供の頃に本当に面白いと思っていたことは大人になっても面白いんですね。
 

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