2010年11月 4日

御船 かもめ(大阪)


 
日常の交通機関としてはもっとも縁遠い乗り物だからなのか、それとも、少年時代に読んだ「ロビンソンクルーソー」や「ハックルベリー・フィンの冒険」の影響なのか、船の旅には特別な憧れを抱いてしまいます。香港のスターフェリー、バンコクのチャオプラヤー・エクスプレス、ベトナムのメコン川クルーズなど、旅先で経験した船旅はどれも印象深い記憶として残っています。
 
とにかく船に乗り込み、足下が不安定にゆらゆら揺れて、水面の心地よい風が吹き付けてくるとなんだか新しい冒険の旅が始まるみたいで、胸が高鳴りわくわくしてくるのです。
 
今回の大阪への旅でも、ステキな船旅を楽しむことができました。前にも泊まったHOSTEL 64でも紹介している「御船 かもめ」。その「朝ご飯クルーズ」を体験してきました。
 
朝のまだ空気がすがすがしい時間、船着場に行くと、そこにあるのは、10名も乗れば満員の小さな船でした。木の板が敷きつめられた開放的なデッキには、大きなクッションが置いてあって、ゆったり座って船の旅が楽しめます。
 
船がゆっくりと船着き場を離れると、天然酵母のパンとサラダ、さらにコーヒープレスにはいった温かいコーヒーが出て来ました。決して豪華ではないけど、丁寧に作られた美味しい朝ご飯を頂きながら、船は大阪の街を流れる川をゆっくりと進んで行きます。
 
小さな船なので、その分視線も水面に近くて、そこから眺める大阪の街並みは、陸上とはぜんぜん違って静かでのんびりした街に見えます。川岸の堤防にとまる鳥、公園をのんびり歩く人、川面にうつる大阪のビル、広い空とさわやかな風。たった一人で船を取り仕切る船長さんの解説も温かくて優しさに満ちています。みんなに心地良い時間を味わってほしいという気持ちが伝わってくるんですよね。
 
一時間足らずの短い船旅でしたが、船着き場に戻って来たときには、船に乗ったみんなの顔が笑顔で、平和で幸せな時間を共有した喜びに溢れていました。御船かもめは、いままで知らなかった大阪の違った一面を見せてくれました。おすすめです。