2011年1月26日

風邪にご注意を


 
風邪が流行っているようです。会社でも風邪が蔓延し、休んだりマスクをしたりしている人が多くなっています。私は今のところは大丈夫ですが、風邪包囲網がすぐ近くまで迫ってきていて、もはや時間の問題かもしれません。
 
どんな時でも風邪になるのは辛いですが、旅の途中や直前に風邪をひいてしまうと大変です。ちょうど20年前、38度の高熱のなかで、ひとり香港を旅した時のことを思い出します。
 
最終目的地のトルコに行く途中、トランジットで香港に立ち寄りました。香港ははじめての訪問でした。出発直前に風邪をひいてしまったのですが、学生時代最後の旅だということもあり、躊躇することなく出発を決めました。寒いトルコへ向かう前に、暖かい香港で体調を治せばいいと考えたのです。
 
飛行機では珍しくほとんど機内食を食べず、毛布を重ねてくるまり、ずっと寝ていました。その姿に同情してくれたのか、隣に座る日本人の男性が、香港の街中まで向かうタクシーに同乗させてくれると言ってくれました。その方と一緒に空港の税関を出ると、香港人の女性が手を振って迎えています。その女性と3人でタクシーに乗り込みましたがどう考えても私は邪魔者。街に着くなりタクシーを降りてお礼を言うと、早々と退散しました。
 
とりあえず、安宿がある重慶大厦の前まで行き、最初に声をかけてきた客引きについていきました。とにかく早く横になりたかったのです。ベッドが一つあるだけの薄暗くて狭い部屋に入ると、すぐに着替えて横になりました。体調が優れないと、旅気分も盛り上がりません。空港から一緒にタクシーに乗ってきたカップルのことを思い出し、少し寂しい気持ちになりました。
 
天井を見上げると、ゴキブリが動いています。しかし、それに対してなんの反応をすることもなくぼんやりとその動きを見つめ続けました。ここでいったい何をしているんだろうか。そんな気分になりながらも、知らないうちに眠りに落ちていきました。
 
2、3時間眠り目が覚めると、何かを食べようと外に出ました。街はネオン輝く華やかな夜の世界が広がっていますが、気分は晴れません。いくつかローカルの食堂を覗いてみましたが、体調のせいで、慣れない食べ物をトライする気持ちも湧かず、結局マクドナルドでハンバーガーとコーラを買って宿で食べました。
 
旅先での好奇心や高揚感よりも、不安や寂しさが勝る。そんな香港の夜でした。皆様も風邪にご注意を。
 

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