2011年3月22日

少しずつ前へ


 
毎年ホワイトデーのためのクッキーを仙台のお菓子屋さんから取り寄せをしているのですが、今年は地震の翌日が発送予定日。当然クッキーは届きませんでした。そんなことをすっかり忘れていた連休前、思いがけず発送できなかったことへのお詫びの電話がかかってきました。

また、親戚の家で避難生活をしている仙台の姪っ子は、久しぶりに電気が通ったことを、「電気ってすごいよ。明るいっていいよね~」と興奮気味に電話で話していたそうです。仙台でも少しずつライフラインが復旧しつつあるようです。不安や悲しみを抱きながらも、一歩一歩前に向かって進んでいるのを知ると嬉しくなります。
 
3連休の初日、オカズデザインさんの台所アトリエ「カモシカ」に、クラフト作家やライターの仲間たち、私たちトラベラーズのメンバーなど総勢20名が集まり、イワシのオイルサーディン&アンチョビ作りをしてきました。震災の影響で飲食店の営業停止や売上低下があり、築地では魚が売れず余って処分されているそうです。その話を聞きつけたプロダクトデザイナーのYさんとオカズさんが呼びかけをしてくれたのです。
 
まずは、みんなで干しトマトを作り、おにぎりをにぎってお昼ご飯。オカズさん特製の絶品豚汁とともに、食卓を囲み近況報告。そして、みんなで手をぬるぬるにしながら、10キロのイワシを一匹ずつさばき、塩漬けに。その日はちょうど天気も良く、窓を開けて気持ち良いの陽気のなかで作業ができました。最後に出来上がったイワシのオイルサーディンをメインディッシュに、それぞれ持ち寄った食材で夕食。とても心温まる時間を過ごすことができました。
 
命がけで避難民の救助やライフラインの補修、原発の復旧作業などに立ち向かっている方々に敬意を表します。大きな悲しみや先の見えない不安のなかで暮らす方々の気持ちに配慮することも大切。それと同時に、それぞれができる範囲で温かい光を見つけ、その光の方へ向かってゆっくりと進んでいく。そのことの大切さをみんなから教えてもらいながら日々を過ごしています。