2011年9月14日

Ooh La La


 
映画「天才マックスの世界」は、ちょっと変わった高校生が主人公の青春学園もの。主人公マックスは、自分にはすごいことができると思いながら、さまざまなことに手をつけます。しかし、自己顕示欲が強すぎて、まわりの人とうまく溶け込めなかったりして、いつも中途半端で終ってしまう。自分本位で理屈っぽい性格、その性格を強調するような冴えない風貌と常識はずれな行動は、最初は見ている私たちにも、ちょっとした嫌悪感を感じさせます。
 
しかし、主人公が年上の女教師に恋をして、彼女の気をひくために、さらに行動がおかしくなってくるあたりから、なんだか主人公が愛おしく感じるようになります。繊細で不器用なのに自意識だけは強くて、自分をどう表現したらいいのか分からずに、行動すればするほどぶざまで滑稽になってしまう。彼のような行動力も度胸もなかったけど、自分の思春期のもどかしく切ない記憶がフラッシュバックしてくるのです。
 
この映画の監督ウェス・アンダーソンの作品には、ちょっと常識外れでいびつな性格の登場人物がよく出てきます。そんな彼らがその性格ゆえにドタバタと不思議な行動をしながら、悩んだり、傷ついたりもするけど、最後にはそのいびつさを含んだ人生すべてを肯定してくれる。
 
一番大切なのは、自分らしくあること。「天才マックスの世界」もまた、監督の作品に一貫して流れるそのメッセージを伝えてくれる素敵な映画です。今日のBGMは、この映画の最後で印象的に使われていたフェイセズの「Ooh La La」。
 
「昔、おじいさんが教えてくれたのは、女の扱い方
 おまえは優しすぎるから気をつけろよって言っていた
 だけど若かったから、その言葉の意味も分からず笑っていた。
 今、その意味が分かったよ。
 もっと若い頃に知っていたかったな
 でも、結局自分で学び取らないと分からないんだよね
 それは本当に辛いことだけど」
 
ちょっと切ない青春映画にぴったりの歌詞ですね。
 
話変わって、ポストカードキャンペーンの入賞者の発表をいたしました。今年は海外からもたくさんの応募があったりして、おかげさまで応募枚数がかなり増えました。それぞれ個性的で素敵な作品ばかりで、作品を見るのはとても楽しかったのですが、最終的に80枚選ぶのはとても辛くて大変でした。入賞作品は後日、ホームページ上に掲載いたしますので、楽しみにしてお待ちください。