2011年9月20日

TRAVELER'S FACTORY通信


 
トラベラーズファクトリーの内装施行工事がいよいよ始まりました。工事風景を眺めていると、その場所に決まるまでの紆余曲折の物語をしみじみ思い出してしまいます。
 
トラベラーズノートと仲間たちのフラッグシップ基地を作るという計画を実行するにあたって、一番苦労したのは場所を決めることでした。私たちが考える理想的な場所は、路地裏にある古くて味のある建物。倉庫や工場だった場所をリノベーションして、トラベラーズらしい空間を作りたいと考えました。
 
ただ、路地裏といってもお客様が来やすい場所でないといけないし、古いといってもお店としてきちんと機能しないといけない。そういった物件は、不動産屋さんに声をかけてもなかなか見つけることができませんでした。
 
私たちが探しているような古い建物を借りてお店をやっている方に、「どうやって見つけたんですか?」と聞くと、「何年も歩いて探してやっと見つけたんだけど、宝くじに当たるようなもんだったよ」との答え。こうしたら見つかるという方法はないようです。結局、場所を探し始めてからの数ヶ月は、何も決まらないまま過ぎてしまいました。
 
とにかく足で探してみようと、デザイン担当のハシモトと中目黒の街をくまなく歩くことにしました。すると、まさにこんな感じだよな〜という建物を見つけました。そこは空き家かどうかは分かりませんでしたが、なんとなく看板に書いてあった社名をメモしておきました。その後、ネットで調べてみると、メモの社名と私たちの知り合いの方との繋がりがあることに気付きました。そして幸運にも、その方を通じて、物件のオーナーとお会いするチャンスが生まれました。
 
しかし、その建物は倉庫として使っているとのことで、実際に借りることができるまでは、もう少し時間がかかりました。何度電話しても前向きなお返事がもらえず、最終的にあきらめて、妥協して別の新築物件に決めてしまおうと考えました。すると、まさに新築物件の契約直前のタイミングで、突然貸してもいいという電話を頂きました。
 
それからバタバタとオープンに向けての準備が始まりました。じっくり建物の中を見せてもらったり、かつて紙加工工場だったというような歴史の話を聞いたりするほどに、そこがトラベラーズファクトリーの理想の建物だということを再認識することができました。古い建物なので、リノベーションに少し時間がかかりますが、来月の下旬にはなんとかオープンできるようにがんばっています。楽しみにしていただけると、嬉しいです。