夢のトラベラーズサマーフェス
ビーチ・ボーイズが23年ぶりにブライアン・ウィルソン参加の素晴らしいニューアルバムをリリースし、さらに来日ライブを行うことになったのですが、そのHPに日曜日トラベラーズファクトリーでライブを行ってくれた山田稔明さんのウェルカムコメントが掲載されています。
そこには、ぼくが今までぼんやりと考えていたことがとてもクリアに説明されていて、深く共感しながら読ませていただきました。
山田さんは、ビーチ・ボーイズの歌詞によく出てくる仮定法未来の用法という英文法について説明していてます。そこで書かれている言葉を引用しながら要約すると、「現在・未来について現実的には容易には起こりそうもない」という意味を含む時につかう文法で、例えば、僕も大好きな曲「Wouldn't it be nice」は「2人で共に歳をとれたら素敵じゃないか!」という歌詞とともに始まりますが、その奥には「まあ夢みたいな話だけど・・・」という意味を含んでいるとのこと。
それを踏まえてあらためて聴くと、明るい希望を歌ったラブソングがとても切なく心に響きます。でも、さらに聴き続けると、容易には起こりそうもないけど、もしかしたらそうなるかもしれないという希望が聴こえてくるのです。それを山田さんは"仮定法未来のファンタジー"という外語大出身の詩人らしい素敵な表現で記しています。この絶望と希望の間を微妙に行き来する感覚こそ、ビーチ・ボーイズの大きな魅力なんですよね。
先日行われたトラベラーズサマーフェスは、私たちにとっての仮定法未来のファンタジーが現実になった瞬間でした。3年前、アアルトコーヒーの庄野さんに会うために徳島へ行く途中、車でみんなで話したこと。いつかトラベラーズノートの基地を作ってそこでやりたいことをみんなで話したこと。その時には現実感が伴わない夢みたいな話で、きっと僕らの言語が英語だったら、仮定法未来の用法で話していたようなこと。
トラベラーズサマーフェスは、夢みたいなことが現実に目の前で繰り広げられた2日間でした。土曜日、ダンラナチュール・千葉さんお手製のチェー、庄野さんがドリップするアイスコーヒー、旅ベーグルさんのトラベラーズベーグルという、ぼくたちが大好きな人たちがトラベラーズファクトリーのために特別なメニューを用意してくれた最高のカフェが2階に登場。
そして、日曜日は山田稔明さんのライブ!山田さんとは今年1月のコーヒーイベントの時に庄野さんと千葉さんを通じて紹介していただきました。それ以来、山田さんはトラベラーズノートを使ってくれるようになり、ぼくたちも彼の音楽の大ファンになりました。
その山田さんがトラベラーズノートの基地で素晴らしい音楽を奏で、トラベラーズノートについて語ってくれている。庄野さんと千葉さんも美味しいコーヒーとおやつでライブを盛り立ててくれる。そして、集まってくれたお客さまもみんな笑顔で同じ時間を共有している。ぼくも大好きなストーン・ローゼズの名曲「エレファントストーン」のカバーまで演奏してくれた時は思わず目頭が熱くなりました。トラベラーズファクトリーで歌う山田さんは、ぼくらにとって、イアン・ブラウンやブライアン・ウィルソンと肩を並べるロックンロールスターになり、ぼくらがずっと憧れ夢に描いていたシーンが目の前にあらわれたのです。
GOOD COFFEE,GOOD FOOD, GOOD MUSIC,
and a good notebook!
トラベラーズサマーフェス、暑いなか、たくさんの方々にお越しいただきありがとうございました。皆様と夢の空間を共有できたことに感謝いたします。そして、また新しい夢にご期待ください!