2014年3月 3日

BRANIFF INTERNATIONAL

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3月です。3月といえば、毎年恒例トラベラーズと仲間たちの新しい商品がリリースされる月。もう既にホームページに情報はアップされていますが、こちらでも少しずつ紹介していきたいと思います。
 
まずはブラニフ・インターナショナル。ブラニフは、昨年トラベラーズファクトリーの商品としてもリリースしていますが、今回は新しいラインアップとして発売をします。
 
ブラニフと言えば、ミッドセンチュリーモダンの巨匠と言われるアレキサンダー・ジラルドによる細部まで徹底されたデザインワークやエミリオ・プッチやアレキサンダー・カルダーなど当時の前衛的なデザイナーやアーティストを起用したさまざまなプロジェクトが、その伝説となった所以ではありますが、今回のラインアップでは、さらにそれ以前の50年代のデザインアーカイブも少し取り上げています。
 
ロールシールに使っている、ちょっと懐かしいタッチの飛行機のイラストが描かれたエアメールシールや、スーツケースに貼られていたようなステッカーの一部などは、50年代にデザインされたもの。1965年のジラルドなどによるCI以降にデザインされたものは、もちろん素晴らしいのですが、それ以前のものにも魅力的なデザインが多いのです。
 
1950年代から70年頃までは、アメリカが経済的に最も豊かであった時代で、飛行機はまさにその豊かさの象徴のひとつでした。世界旅行はこれから広がろうとしている頃で、当時のアメリカの航空会社のポスターに描かれているアジアやアフリカの都市は、エキゾチックな雰囲気と、未知への期待に溢れています。ブラニフのさまざまなデザインアーカイブを見ていると、飛行機の旅がもたらしてくれる高揚感がふつふつと蘇ってくるのです。
 
ブラニフは、1980年代、カーター政権による航空自由化政策で打撃を受け、アメリカ最大手のパンナム航空やハワード・ヒューズのTWAなど、かつて栄華を誇っていた航空会社同様に終焉を迎えることになります。でも、それらの黄金期に作り上げた空の旅の夢は、今もさまざまな形でぼくらに影響を与えてくれています。
 
はじめて飛行機に乗ったとき、英字新聞や外人の客室乗務員を見ただけで感じた異国情緒、飛び立つ時のドキドキした瞬間、 窓から見える初めての外国、遠い異国へわずかな時間で連れて行ってくれる飛行機の旅には、やっぱり夢があふれています。
 
20〜30年前から比べると、かなり安く乗れるようになったし、今や飛行機に乗ることは特別なことではなくなったのかもしれないけどわずかな時間で異国に連れて行ってくれる夢の乗り物として、いつまでも旅人をわくわくさせてくれる存在であってほしいもの。ブラニフのステッカーやノートが、かつての飛行機の旅の夢を少しでも蘇らせることができたら嬉しいです。
 
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