2014年5月12日

Say hello to the brand new world, Pan Am

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パンナムがアメリカのフラッグ・キャリアとしてもっとも輝いていたのが1950〜70年代。アメリカが豊かになるのにあわせて、飛行機での海外旅行が民間に広がっていった時代です。でも、高度経済成長の日本ではまだそれは一般的でなく、1969年生まれのぼくも中学生になるまで自分の身の回りに海外へ行った人は誰もいませんでした。
 
50〜70年代のパンナムの広告やマップなどを見て感じるのは、この時代には、飛行機の旅に夢がたっぷりあったということ。笑顔で微笑む金髪のスチュアーデス、座席で気持ち良さそうに眠る母娘、飛行機を降りておしゃれな姿で闊歩するカップルなど、広告に掲載されている手描きで丁寧に描かれたそれらのイラストは、懐かしさと同時にわくわくするような夢を感じさせてくれます。パリやロンドンなど、旅先を記したポスターもアーティステックなタッチで、都市の象徴的な風景が描かれていて、その場所への想像力を掻き立ててくれます。
 
まだ異国の情報も少なく、経済的に簡単に海外旅行に行くことができなかった時代、それは豊かさの先にある夢の航路でした。そして、航空界のリーダーとして民間航空のスタンダードを作ってきたパンナムはまさにその象徴でした。
 
90年代以降には、格安航空券が流通し、円高や豊かになったことで、日本人も気軽に海外旅行を楽しめるようになりました。もちろんぼくらにとって喜ばしいことですが、巨大になりすぎたパンナムにとっては厳しい時代となり、最後には競争に負け終焉を迎えます。しかし、そのこともぼくらにとっては、アメリカの豊かさの象徴としてのパンナムのイメージをより際立たせているようにも感じます。
 
今回、トラベラーズファクトリーとのコラボレーションで作ったパンナム・コレクションは、かつて飛行機の旅が感じさせてくれた、くわくするような夢を感じてほしいとの思いで始まりました。
 
5月12日より伊勢丹新宿店 2階のDECADEにて発売します。またトラベラーズファクトリーとそのオンラインショップでも5月22日より発売します。ぜひ、手に取ってみてください。