2014年8月18日

トラベラーズバイクとの旅

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この道の先には何があるのだろうか。
 
まだ自由に旅ができなかった小さい頃に感じたそんな思いこそがぼくにとっての旅の原点のような気がします。はじめて自転車に手に入れた小学生の頃、その道の先を目指して友達と自転車を走らせながら、ささやかな旅気分を感じていました。未知の世界への好奇心、移動し進んでいくことの快感、自分の意志で自分の行き先を決める自由。ちょっと大げさかもしれないけど、そんな気分に少しだけ浸りながら、旅に憧れを抱いていました。
  
そんなこともあり、tokyobikeさんが作ってくれたオリジナルの自転車、トラベラーズバイクを昨年の冬に手に入れたとき、それに乗って小学生の頃できなかった長距離の旅をしたいなあと考えました。それから半年以上経ってしまいましたが、遂に今年の夏休み、その機会に恵まれました。
 
行き先は北へ。3日間で行けるところまで行って、4日目に電車で帰るという計画。ずっと昔読んで面白かった、東京から青森まで自転車で旅をする姿を追った「男たちは北へ」という小説を読み返しているうちに、自然と行き先は北になりました。初日はがんばって宇都宮まで走り、翌日以降は休みながらのんびり走り、那須で泊まり、最終的に白河まで走りました。ちなみに「男たちは北へ」では3日目に仙台に着いているので、その半分しか進んでいないことになります。
 
暑かったり、途中で雨に降られたりして、なんでこんなことをしているんだろう、なんて思うこともありましたが、国道から脇道へ入り誰もいない、穏やかな風が吹く田園風景の中を走っているとそんな苦労も忘れてしまうほど気持ち良い。何より自分の足で自力で進んでいるのが嬉しく、旅の醍醐味である移動する喜びを感じることができます。
 
帰りは、輪行バッグに自転車を収納し、各駅停車の電車で帰ったのですが、それでも自転車で3日かかった距離がわずか数時間で辿り着いてしまいました。家に帰り、汚れたトラベラーズバイクを磨きながら、ひとつの旅を終えてちょっとだけ勇ましくなった姿に、ますます愛着が増してくるのを感じました。次はどこへ行こうかな。
 
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