Good Feel, Good Style.
出張で新潟の長岡に行くことになり、ならばと前々から行きたいと思っていたG.F.G.S.さんに、お邪魔させていただきました。G.F.G.S.は、色の組み合わせや幅の太さを自分で選んだオリジナルのボーダーカットソーを作ることができるブランドで、新潟県加茂市に拠点があります。今年2月にトラベラーズファクトリーで受注会を開催した際、地場産業でもある近隣のニットの生産者たちを繋げて、独自のものづくりの仕組みを作っているのを聞き、現場を見みてみたいと思っていました。
長岡から信越本線に乗り換えて30分ほどで加茂駅に着くと、小柳さんが以前会った時と同じ金髪と笑顔で待っていてくれました。そのまま商店街を歩くと、パン屋さんの2階にG.F.G.S.さんのラボがありました。ラボは、ショールーム兼オフィス兼工房であり、通常は企画やデザイン、ミシンを使っての縫製、検品や出荷が行われ、さらに土曜にはショップとして開放している、まさに彼らの拠点となっている場所。
中に入ると、色とりどりのボーダーカットソーとあわせて、ぐっとくるセレクトの本や写真集、CD、ポスターなどがさりげなく置かれ、壁には、アーティスティックなペイントやロックミュージックから引用された言葉を散りばめたグラフィックが描かれています。イベントの時にもお会いしたスタッフも温かく迎えてくれて、わくわくしながら本や写真集を手に取り、はじめて足を踏み入れた場所なのに、とても居心地の良さを感じました。
その後、小柳さんの案内のもと、編み立て、生地の網目を整える整理、さらにイベントでオリジナルのワッペンを作ってくれた刺繍を行う工場を見学させてもらいました。それらはそれぞれの工程に特化し、独自の技術を持つ工場で、職人さんと密接に繋がり、その技を活かし、そこにG.F.G.S.ならではの大胆なアイデアを加えることで、世界に通用するあたらしいメイドインジャパンのものづくりを加茂から行っていく。まさにこれからの日本のものづくりの在り方を示してもらったような気がしました。
そして、夜には加茂の居酒屋でG.F.G.Sさんチームとトラベラーズチームとで打ち合わせと称し、お酒を飲んで美味しいものを食べながら楽しく語り合いました。話せば話すほどに、その趣味嗜好に近いものを感じ、次のイベントの日程から夢みたいな計画まで盛り上がりながら話をしました。メールや電話ではこんな風にはならないし、やっぱり旅をして会いに行くのがいいですね。
加茂ならではニットの技術は、トラベラーズで言うとデザインフィルが長年培ってきた紙に対するノウハウなのかもしれません。そして、なによりも大事なのは作り手の強い思いやアイデアで、先人が培ってきた歴史に敬意を払いながら、自分たちの好きな世界をより深く自分たちらしいやり方で表現していこうとやってきた形が、G.F.G.Sであり、トラベラーズノートなのかもしれない。そんなことを思いながら、新幹線で東京に戻りました。新潟の加茂、きっとまたこの土地を旅することになるんだろうな。