4回目のトラベラーズサマフェス
36度を越す猛暑が続き、いよいよ夏も本気を出してきました。トラベラーズファクトリーでは、あまりの暑さに2階のエアコンがオーバーヒートぎみになり、目玉焼きができそうなほど熱くなっていたトタン屋根に水をまいたらなんとか復活。今年の夏はけっこう手強いようです。
そんななか、トラベラーズファクトリー夏の恒例イベント、トラベラーズサマーフェスティバルを開催。アアルトコーヒーの庄野さんによるコーヒーと山田稔明さんのライブが目玉のこのイベントも4回目を迎えました。その間に庄野さんは、徳島にあたらしいカフェ14gをオープンさせ、山田さんは2枚のアルバムをリリース、ぼくらも成田空港にあたらしいお店をオープンしたりして、それぞれ忙しく過ごしています。
そんな仲間たちが1年に一度、中目黒に集まり、イベントを開催していく。続けるほどにぼくらは、庄野さんアイスコーヒーと、山田さんの歌声は、夏の到来とリンクし記憶に刻まれていきます。ラジオ体操のテーマソングを聴くと、少年時代の夏の記憶が蘇ってくるように、山田さんの歌声と庄野さんのコーヒーとともに季節の訪れを感じられる幸せ。足を運んでくれる方も同じように感じてもらえたら嬉しいです。
山田さんのニューアルバム『the loved one』の1曲目、『my favorite things』。ライブでは12弦ギターで演奏してくれたこの曲は、起き抜けの朝にミルで挽く前の深煎りのコーヒーの豆の匂いにはじまり、日々の暮らしにある好きなことを綴っていく歌で、あたらしいアルバムのなかでぼくの一番のお気に入りの曲。
人生には辛いことや思い通りにいかなことに満ちています。だからこそ、不平や不満、嫌いなこと語りあって貶したり、慰め合うよりも、好きなことを好きと宣言していくのはけっこう覚悟がいること。愛猫を失う大きな悲しみから生まれたアルバムがポジティブなトーンに満ちているのは、喪失の悲しみよりもその愛や感謝を伝えることを選んだからで、そんな山田さんの姿勢とその歌がとても素敵だなと感じました。
初日には庄野さんのカフェ14gでイベントを開催したチャットモンチーの福岡晃子さんが来てくれたり、土曜日には山田さんのニューアルバムのジャケットを手がけたイラストレーターの大塚いちおさんが来てくれたりで、イベントをきっかけに好きなヒトたちへの繋がりが広がっていくのが嬉しい。
ライブ終了後、山田さんとファクトリーの2階で夏祭りっぽく、焼きそばやたこ焼きを作りながら、打ち上げをして、山田さんとぼくが好きな映画、『エリザベスタウン』の話をしたり、来年のサマフェスの計画を話したりして過ごしました。来年は記念すべき5回目。今から来年も楽しみ。