はじめての台湾
僕がはじめて台湾に行ったのは、いまから15年前の9月だった。台北の空港に着いたのは夜。ホテルにチェックインすると、何か食べようと外に出た。台北の夜は、想像していたよりもずっと静かで、まだ8時前なのにほとんどの店が閉まっている。勝手に東南アジア特有の賑やかな街並みを想像していた僕はちょっと拍子抜けしたような気分になった。しばらく歩き回ってやっと見つけた小さな食堂で、簡単にワンタン麺を食べてホテルに戻った。
翌日の朝、これから向かう工場の方がホテルに迎えに来てくれることになっていた。だけど予定の時間を過ぎても、なかなかやって来ない。約束の時間を間違えたのかと思い、工場に電話をしてみるけど、うまく繋がらない。はじめての一人での海外出張だった僕は、だんだん不安になってきた。結局2時間遅れでやってきた工場の方は、あまり英語ができないようで、トラフィックジャムと言うだけだった。
その後、僕が台北に着いた日、実は大きな台風がやってきて大変だったということを知った。その日は学校や会社は休みになり、地下鉄の駅はすべて浸水してしまい、電車は不通。渋滞の原因はそのせいだった。僕が台北に着いたのはまさに台風が去った直後だった。あらためて明るい街を眺めてみると、水浸しの商品が店の前に山積みになっていたり、道路の脇にたくさんのゴミが積み上げられていたり、倒れた街路樹があったりして、けっこう大きな被害があったのが分かった。そんなことにまったく気が付かずに、僕は夜の街の静けさに落胆し、渋滞に苛立っていたわけだ。迎えに来た彼にしてみれば、こんな日に来るなんて、迷惑この上なかったんだろうな。
その後は、大きなトラブルもなく、台中、台南まで旅をして再び台北に戻った。その時、最後に営業として訪問したのが、今週イベントを行う誠品書店だった。打ち合わせのため訪問した、当時の旗艦店、敦南店は、24時間営業で、書籍のラインアップはもちろん、文房具も東京の大型店に引けを取らない品揃えで感動したのを覚えている。その後何度も台湾を訪問しているけど、誠品書店には必ず足を運んでいる。トラベラーズノートも発売当初から展開をしてくれて、台湾で広がるきっかけを作ってくれたお店でもある。
その誠品書店の信義店でいよいよ今週イベントがはじまる。10周年缶やキャメルに加え、台湾限定商品や誠品書店とのコラボ商品が登場し、週末には、ノートバイキングも開催する。台湾の方、ぜひ遊びに来てくださいね。楽しみだなあ。天気だといいな。