2016年10月24日

5th Anniversary of TRAVELER'S FACTORY

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先週末、トラベラーズファクトリーで、5周年記念スパイラルリングノートバイキングを開催した。今回もたくさんの方が足を運んでくれて、僕は、ファクトリーの2階と1階をバタバタと上がったり下がったりを繰り返していた。そんな時、ふと、階段の途中から1階の店内を見下ろしてみた。
 
狭い店内はたくさんの人で溢れていて、ノートにいくつもスタンプを押していたり、商品を手に取りながらいろいろ考えていたり、スタッフと話をしたり、お客さんどうしで話をしていたり、なんだかみんな笑顔で楽しそう。その話声は日本語だけでなく、英語やアジアの国の言葉も聞こえ、日本からだけでなく、海外から来た方もいるみたい。上から見下ろすことで、その風景が一度に見渡せて、なんだか映画のワンシーンのようだ。僕も思わず笑顔になって、しばらくその光景に見入った。僕はここから眺める風景が好きだ。
 
ちょうど5年前、トラベラーズファクトリーがオープンする前日のこと。夜遅くやっと陳列が終わって、2階で一休みしようと思って階段をあがっていく途中、誰もいない店内を見下ろした時のことを思い出す。
 
裂け目の入ったモルタルの床に置かれた錆びた作業机や鉄製の無骨なオフィステーブル、足場材やパレット材で作られた棚やカウンター。天井からロフトに通った鉄骨に、そこから吊るされた飛行機。そして、静寂に包まれた薄暗い店内で、ぺンダントライトが優しい光で並べられたばかりの商品を照らしている。たくさんの人たちの協力を得ながら、みんなで必死になって作り上げた空間が、ついに形となって目の前に現れてきたのだ。僕は、ただ単純にその美しい光景に感動して、しばらく無言で見入ってしまった。そして、ここに世界中から旅人が集まることになったら、なんて素敵なことだろう、と想像した。
 
あれから5年が経って、同じアングルから眺める。あの頃の想像が少しは現実味を帯びてきたような気もするけど、まだ発展途上だと思う気持ちは変わらない。イベントも店舗運営だって、システマチックになんてならないし、今でも思いつきでバタバタと必死でこなしているのが現実だ。
 
店内のBGMが、ロジャー・ニコルズのLove So Fine からビーチ・ボーイズのWouldn't Be Nice に変わった。トラベラーズファクトリーのBGMは、営業時間の8時間にあわせて曲をセレクトしたプレイリストを36セット用意して、それを毎日切り替えて流しているんだけど、5周年を迎えたこの日、偶然オープン日と同じリストに切り替わった。記念すべきトラベラーズファクトリーのオープン日に流そうと、わくわくしながら曲順や流れを考えてセレクトしたセットリストだ。僕は密かにちょっと感慨深い気持ちになった。
 
5周年記念のイベントとして、スパイラルリングノートバイキングを行うのは、それが最もトラベラーズファクトリーらしいイベントだと思うからで、そのこともあってか、オープン時からいつもお店に来てくれている方や久しぶりに足を運んでくれた方にもお会いすることができたし、はじめてノート作りを体験するという方もたくさん来てくれた。そんな方々と何気ないお話をしながら、僕らが5年間で得ることができた最も大きな宝が何かをあらためて再確認することができた。

イベントが終わると、トラベラーズファクトリーを作ってくれた大将が持ってきてくれたケーキとともに、みんなで乾杯をした。まだ5歳の未熟者ですが、これからもトラベラーズファクトリーをよろしくお願いします!

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