2017年2月13日

東京駅からはじまる新しい旅

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たまの出張で、東京駅へ行き新幹線に乗ると、今でもちょっとわくわくする。朝から駅弁を買って、西に向かう時なら横浜を過ぎたあたりで食べ始め、車窓から富士山が見える頃に、車内販売のコーヒーを飲む。そして、文庫本を開いてのんびりページをめくる。そんなことを想像して、弁当は何しようかとか、持っていく本を選んだりするのもまた楽しい。

ふと窓の外を見ると、海が広がっていたり、一面雪景色になっていたりして、そんな時は本を読むのを休んで、しばらく車窓を眺める。到着駅についてホームに降りると、体に感じる空気の温度や匂いが新鮮で、やって来たなあ、としみじみ感慨にふけるのもいい。

学生の頃によく利用した青春18切符での旅もいいなあ。何度も乗り換えなければいけないけれど、その分、それぞれの土地の空気を感じられるし、通勤や通学などで利用する乗客たちの言葉がだんだん変化していくのも楽しい。気が向けば、予定を変更して訪れたことがない町を歩くことだってできる。夜になって住む人の少ない路線を走っていると、だんだんと乗客も減って、車窓からはぽつんぽつんと見える家の光をながめているときの、うら寂しい気分も好きだ。
 
寅さんが、家族と喧嘩をしたり、ふられたりすると、トランク片手に家を出て駅に向かう。僕はそんなシーンを見ると、切なくなるのと同時に、ほのかな憧憬の念を抱いてしまう。海外で電車に乗る時は、なおさら高揚する。インドの混沌とした寝台列車、バンコク発チェンマイ行きの個室寝台。夜の闇のなかを疾走するミッドナイトエクスプレス......。スピードや便利さでは、飛行機や高速バスに比べると劣ることも多いけれど、やっぱり電車や駅には、旅情をかきたてる特別なものがある。

先週末にすでにこちらでお知らせしていますが、今年4月27日に東京駅のグランスタ丸の内に、トラベラーズファクトリー ステーションをオープンします。ゆっくりページをめくる時間を持てる電車の旅は、トラベラーズノートとの相性もぴったり。
このあたらしい場所を起点にどんなノートとの旅がはじまるのか、僕らも今から楽しみです。栄光に向かって走るあの列車に乗って行こう、なんてフレーズが頭のなかをぐるぐる巡っているのです。まさにこれからその準備が本格的にはじまるのですが、皆さまも楽しみにしていただければ嬉しいです。
 
話変わって、2月14日のバレンタインデーにトラベラーズノートと仲間のあたらしいラインアップをトラベラーズカンパニーオフィシャルサイトにてお知らせします。こちらもぜひ楽しみにしてください。
 
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