2018年4月 2日

桜が咲いて、ノートが旅立った

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トラベラーズノート ブルー発売の前日の夜、中目黒駅を降りると、駅構内は人で溢れかえっていた。目黒川の桜は、例年よりかなり早く満開を迎え、たくさんの花見客が足を運んでいた。今年はまだ目黒川の桜を見てなかったから、僕らも人混みの中をかき分けて桜を見に行った。中目黒は年に一度のお祭りみたいにごった返し、みんな笑顔で楽しそうに歩いていた。そしてトラベラーズファクトリーへ向かうと、翌日の発売に向けて、商品を並べた。

トラベラーズファクトリーでは、ブルーの発売とあわせて、レザージッパーケースやペーパークロスジッパーケース、さらにキャンバスバッグなどにブルーも発売。さながらブルー祭のようなコーナーになった。中目黒での陳列を終えると、次は東京駅へ。花見帰りの人たちでいっぱいのホームから電車に乗って、なんとか閉店の22時前にトラベラーズファクトリーステーションに着いた。
 
今度は、東京駅で新しい商品を並べるのを手伝う。天井が高くて、ゆったりした雰囲気の中目黒にキオスクのようにコンパクトな空間にぎっしりと商品が並ぶステーション。両方をハシゴをすると、その違いが際立って分かり面白い。陳列が終わったのは終電間際だった。何ヶ月もかけて準備してきた新しいトラベラーズノートやスパイラルリングノートたちが店頭に並ぶと、無事にこの日を迎えられたことに安堵するとともに、感慨深い気持ちになった。

そして発売日はトラベラーズファクトリーへ行き、お客さんとお話しをしながら迎えた。この日はまさにお祭りみたいにたくさんの方が足を運んでくれて、笑顔で新しいノートを手にする姿を見ることができたのは、なによりも嬉しかった。

様々な仕事が専門的になり分業化していく時代で、モノを企画し、作ることから、サイトで伝え、店頭に並べて、お客さんと話をしながら手渡すところまで携われることの喜びを実感する。きっとそれこそ、トラベラーズがこれからも大切にしていなくてはならないことのひとつだということにあらためて気付かされた。

途中、ファクトリーを抜けて、再び目黒川に桜を見に行った。桜はもう散り始めていて、風が吹くとまさに桜吹雪のように花びらが舞っていた。空を見上げると、青い空と桜並木、そして空に舞う花びらが美しいコントラストを描いた。川にはたくさんの花びらが流れ、うっすらとピンクに染まる吹き溜まりを作っていた。圧倒的な華やかと、散り際の潔さ、そこに漂うはかなさと哀しみ。やっぱり桜はいいな。そういえば、満開の桜とトラベラーズノートの新しい商品の発売が重なったのは、12年ではじめてのことかもしれない。この日、桜の花びらが空に舞うように、たくさんのノートが旅立っていった。
 
4月になった。桜はこれから青い葉に覆われて、来年の花を咲かせるためのエネルギーを蓄えていく。僕らもまた、トラベラーズノート ブルーとともに新しい青の時代への旅をはじめよう。

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