2018年6月25日

半径2キロの旅

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なんとなくパソコンでネットを眺めていたら誰かの個人ブログで、旅先としてうちの近所を散策しているのを書いたページを見つけて、思わず見入ってしまった。植木鉢がずらりと並ぶ長屋の玄関口、その家の窓に吊り下げられるように干してある布団、商店街のはずれにあるお店の色あせた看板、路地にかかった踏切を渡る子どもたち。そこにアップされていた写真は、僕も朝の通勤時に自転車で走りながらいつも見ている風景なんだけど、旅人である撮影者の視点であらためて自分の住む町を見ることで、新鮮な美しさを感じることができたし、そこでの暮らしの愛おしさがが沸き起こってきた。
 
僕が住んでいるのは、東京の下町で、曲がりくねった路地が多く、何年も住んでいるのに適当に自転車で走っていると、迷って知らない場所に出てしまうことがある。そんな建物の間を縫うように、東武亀戸線という2両編成のローカルな電車が走り、その沿線に自宅がある。
 
木造の長屋に、古くからある町工場や賑やかな商店街が今でも残っていて、近くにスカイツリーができたこともあってか、ここ数年でずいぶんと新しくなった建物も多いけど、古い建物と新しい建物が渾然一体となった風景がちょっとした魅力になっている。スカイツリーができても、町自体はあまり注目されることもないから、観光客が歩くことは少なく、町は相変わらず、静かな下町の風景が保たれている。
 
そんな自分の住む町をあらためて見てみようと、晴れた日曜日、自転車で近所を散策してみた。いつも通り過ぎてしまうお店で立ち止まって中をのぞいて見たり、袋小路の中まで足を踏み入れてみたりすると、絵になる風景が多いことに気づく
 
裏路地の家には、植木や花を賑やかに飾ってある。紫陽花が咲いているのを見つけた。だいぶ花の色があせてしまっているけど、むしろそれがトタンの壁によく似合っている。隣の家の前には、水槽がいくつも重ねられて置いてある。太陽の光をたっぷり浴びて光合成を繰り返しているせいか、すっかり緑色に変色している水槽の中には、金魚やメダカが元気に泳いでいる。
 
さらに走ると、トラベラーズファクトリー中目黒の建物と同じ匂いがする無骨な町工場を見つける。飾り気がいシンプルなモルタルの壁が美しい。今でも賑やかなキラキラ橘商店街を抜けて、曳舟駅を超えて、永井荷風『濹東綺譚』の舞台になった玉の井まで足を伸ばした後、東向島珈琲店でコーヒーとサンドイッチを食べてしばらく休憩しながら、このブログを書く。
 
トラベラーズノートに絵を描き終えると、ふとこの後、押上にある銭湯、大黒湯に行こうと思い立つ。まだ明るいうちにそこの露天風呂に入って、旅気分の贅沢な時間を過ごすのも悪くない。なんてことない日曜日の午後だけど、自宅の半径2キロ圏内で過ごす、こんな休日の午後もけっこう気に入っている。
 
6月30日より、トーキョーバイクさんが運営するレンタルバイクを中心としたコンセプトショップTokyobike Rentals Yanakaにて、トラベラーズファクトリーのポップアップストアが登場します。ぜひ、この機会に、下町の谷中を起点に自転車でのワンデイトリップを楽しんでみるのもおすすめです。トラベラーズノートやスパイラルリングノートに絵描きたくなるような素敵な風景にもきっと出会えるはずです。Tokyobike Rentals Yanakaのサイトには谷中周辺のおすすめスポットも紹介しているのでぜひご覧になってください。

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