2018年12月 7日

マドリードでトラベラーズノートに絵を描く

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マドリード滞在最後の日の日曜日。ホテルの近くにある行きつけのカフェに行くと、日曜日だからか満室だったので、その先にあるはじめてカフェに入ってみる。今日はアボガドのスライスをのせたパンをオーダー。昨日の朝食べた生ハムのパン同様、美味しい。スペインに来てから、食べるものすべてが美味しくていちいち感動している。パンと一緒に頼むのは、いつもコルタド。
 
コルタドというのは、エスプレッソに少しだけミルクを足したもので、この名前を覚えるまでは、エスプレッソをオーダーしてからミルクをお願いしていたんだけど、エスプレッソとコルタドは値段も違うからミルクを少しだけ足したい場合はコルタドをオーダーするのが正しい。そんなことを知るだけで、スペインが身近になったみたいで嬉しい。
 
朝食の後は、今日のワークショップが行われるエル・モデルノというお店まで歩いて行く。このお店のオーナー夫妻に、その長男の九歳のオルモくんまでトラベラーズノートを使ってくれていて、今回のイベントをほんとうに楽しんでくれて、たくさんの企画に協力してくれている。
 
お店に着くと、すでにワークショップの先生のハビエルさんが来ていた。ハビエルさんは、限定リフィルの絵を描いてくれたアーティトの一人で、イベント初日に開催していたオープニングパーティーですでに会っている。
 
「今日はよろしくお願いします!」
「君も参加するのか。まあ楽しんでやってくれ」
 
少しとぼけた調子で悠然と話す姿は、アーティストというより中学校の美術の先生といった感じ。参加者が集まると、エル・モデルノを出発し、みんなで街を歩いた。しばらく歩き、小さな広場に着くと、ハビエルさんは、ここで見たものをなんでもいいからトラベラーズノートに描いてくださいと言った。
 
「恥ずかしがらず、大胆に。失敗しても気にしない」
 
そんなアドバイスとともに、みんなトラベラーズノートを取り出し、街の風景のスケッチをはじめた。参加者は約20人。かつてパンナムでCAをしていたというおばあちゃんから、オルモくんまで年齢も幅広いし、香港からイベントにあわせてやってきたパトリックにマドリードに住んで12年という日本人のも参加してくれて、国籍もさまざま。そんな人たちがみんなでマドリードの街角でトラベラーズノートを片手に絵を描いている。僕は、その姿に不思議な感動を覚えた。
 
そこで30分ほど絵を描くと、次はカフェに移動しコーヒーを飲みながら、その続きを描く。カフェの次は、ハビアさんのスタジオに移動。様々な画材が揃い、描きかけの絵がたくさん並んだとても素敵な空間だ。
 
参加者はみんな感嘆の声を上げそのスタジオを眺めると、また絵を描きはじめた。最後に、みんなの絵が描かれたトラベラーズノートを並べて記念撮影。さらにスタジオでは、ビールやチーズが振舞われて、パーティーのような雰囲気になり、歓談を楽しんだ。その後、みんなでスタジオを出ると、今度は近くのバーに入り、ワインとチーズでパーティーは続いた。
 
「昼間からお酒を飲んで、何件もハシゴして、それが夜まで続くんだ。これがスペインの休日の過ごし方なんだよ」
 
今回のイベントをたくさんのお店とともにアレンジしてくれた代理店のオーナー、アーチュローは、笑顔でこう言った。途中からトラベラーズノートユーザーのアーティストたちも加わり、パーティーは暗くなるまで続いた。
 
前日は別のお店で、限定リフィルの絵を描いてくれたアイトールさんのワークショップがあった。彼もまたトラベラーズノートユーザーで、今回のイベントでオリジナルのリフィルを作ることができたのを心から喜んでくれた。
 
彼は、色が大事だと言い、例えば旅に出る時にまず色を決めて、その色をずっと使って絵を描くといいと教えてくれた。色を決めると、その色のペンを渡してくれて、その場で思い思いの絵を描いた。絵を描くことは、孤独な心を癒し、心の病を治療するような行為だとも話してくれた。そんな彼のトラベラーズノートには、不思議なイラストやチケットや切り抜きのスクラップ、日記などで埋め尽くされていて、ひとめ見ただけで、彼の毎日にトラベラーズノートが寄り添っているのがわかった。
 
アイトールさんは、ザ・スミスが好きだという僕に、モリッシーのイラストととともに「There Is A Light That NeverGoes Out」と腕に彫られたタトゥーを見せてくれた。
 
マルタさんも自身のスタジオに僕らを案内してくれた。「最初は、この縦長のサイズに戸惑って1年くらい使ってなかったんだけど、使い始めたらこのサイズじゃなきゃダメって感じで、すっかりはまっちゃった」そう言いながら、たくさんのイラストが描かれたトラベラーズノートを見せてくれた。 ZATAさんは、革カバーやリフィル、パッケージなどをボードに貼り付けて、限定リフィルのアートワークをさらにバージョンアップした作品を作ってくれた。
 
みんな第一線で活躍するプロフェッショナルのアーティストなのに、僕らや普段絵を描かない参加者に、とても優しく絵をことの楽しさを教えてくれた。絵を描くという行為は、決して特別なことでなく音楽を聴いたり、本を読んだりするように、気軽に毎日の生活にあってもいいんだ。失敗を気にしないで大胆にペンや筆を動かして表現をする。毎日を共に過ごすトラベラーズノートだからこそ日常の中で、もっとさりげなく絵を描くことに向かい合いたい。
 
絵を描くだけじゃなくて、バルセロナから来てスクラップのワークショップを開催してくれたバーバラさんみたいにトラベラーズノートに貼ったりすることだってできる。マドリードの果てしなく続く飲み会のなかで、そんなことを考えていた。
 
それぞれのアーティストの作品は下記のインスタグラムアカウントやサイトでご覧いただけますのでぜひチェックして
みてください。
 
Javier Zabala/ハビエル・ザバラ
 
Aitor Saraiba/アイトール・サライバ
 
Marta Botas/マルタ・ボタス
 
ZETA (Pablo Herrero)/ゼタ(パブロ・エレロ)
 
Brbara Salas/バーバラ・サラス
 
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