2019年4月29日

台北を歩いて

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3年ぶりに台湾へ行ってきた。台湾では今はちょうど雨季にあたるようで、滞在中は曇り空の時間が多かった。だけど、それが逆に南国の強い日差しを遮ってほとんどの時間を気持ち良い気候のなかで過ごすことができた。今回の出張では、いくつか打ち合わせの予定を組んでいたのだけれど、まずはその前に久しぶりの街をゆっくり歩いておきたいと思い、打ち合わせの2日前に台北入りした。
 
台湾の1日は、土地ならではの朝食からはじまる。1日目はネギや揚げパンなどが入った優しいスープのような豆乳「鹹豆漿」と薄いお好み焼きのような生地に卵焼きとネギを挟んで丸めた「蛋餅」。2日目は「三明治」とメニューに書かれているサンドイッチ。台湾風に味付けされた豚肉に目玉焼きが挟んであるものをオーダーし、冷たい豆乳と一緒に食べる。店の人は忙しい時間なのに、言葉のわからない僕らに面倒がらず温かく対応してくれるのも台湾ならではで嬉しい。
 
美味しい店に出会うと、帰り際にショップカードを手に取り、台湾用におろしたトラベラーズノートの新しいリフィル、カードファイルのポケットに差し込んだ。ローカル感たっぷりの美味しい朝食でお腹を満たした後は、目星をつけていたいくつかの店を目指して街を歩いた。
 
台北を歩いて楽しいのは、例えば下町の古い建物が並ぶような裏通りに、スモールショップをたくさん見つけることができること。スペースが小さいから品揃えは偏っているけど、その分オーナーの趣味や人柄を想像できて楽しい。そんなたくさんのスモールショップの中から自分たちの好みとぴったりあった店を見つけると、思わず胸が高まり、宝探しをするような感覚で小さな店の中を隅から隅まで見入ってしまう。
 
そんな店に出会うと僕らは名前を名乗り、持っていたトラベラーズタイムズやリーフレットを渡して話をしたり、連絡先を交換したりした。すると面白いことに、僕らがいいなと思った店のオーナー同士が繋がっていることが多くて、「ああ、あそこのXXさんとは友達だよ」と言われることが何度もあった。
 
どうしたら売れるか、ということよりもどうしたら喜んでもらえるか、どうしたら楽しく心地よいか、ということを優先する。世の中の流行ではなく自分たちの直感を信じる。拡大することより深掘りしていくことを大切にする。小さな店には、彼らのわくわくした思いがたくさん詰まっていて、そんな姿勢に共感した。そして、僕らは単純に彼らと友達になりたいと思った。
 
街歩きの途中お腹が空いたら、胡椒餅がいい。サクサクしたパンの中に胡椒の効いた肉やネギの餡が入っている。注文すると釜の中から熱々の胡椒餅を取り出し、ひとつずつ紙の袋に入れて渡してくれる。僕らはハフハフと言いながら、胡椒餅を食べて小腹を満たすと、またスモールショップを探して歩く。台湾の1日はそんな感じであっという間に過ぎていった。
 
ホテルの部屋に戻ると、iPhoneのスピーカーで最近お気に入りの台湾のバンド、サンセット・ローラーコースター(落日飛車)のアルバムを聴きながら、カードファイルを開いてこの日訪れた店のショップカードを眺めた。台北で出会った人たちの顔が頭にいくつも浮かび、宇宙に浮かぶ無限の星の中に現れる星座のように見えない線で結ばれた。いい感じだ。なんだか新しいことが始まりそうな予感がしてきた。
 
ゴールデンウィークですが、旅にはトラベラーズノートを、そして旅の途中にはトラベラーズファクトリーにお立ち寄りください。Have A Nice Trip!
 
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