2020年12月 7日

今年もあと1カ月足らず

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12月になり今年も残すところ1カ月足らず。きっと多くの人が同じことを思うのだろうけど、僕らにとっても今年は大変な1年だったし、来年はいろいろ落ち着いて、少しでもいい方向に進んでいけばいいなと思っている。
 
先週、海外の仲間たちに送るクリスマスカードにメッセージを書いた。香港のパトリックやチェンマイの工房のオーナーなど、カードの宛名を見ながら、いつもだったら年に一度は会う人ばかりなのに、今年は誰にも会えなかったな、としみじみ思った。昨年の今頃は、「トラベラーズファクトリー京都がオープンするから来年は絶対に日本に行くからね!」とたくさんの方が言ってくれていたけど、当然その約束は果たされないまま今年が終わろうとしている。
 
「来年こそ、京都に来てくださいね」とか「来年はそっちに行くからね」とか、そんな言葉を僕はカードに書きながら、来年はそんなことが本当に実現できるのだろうか、と頭の中では現実感を伴わない夢物語のようにも感じていた。
 
いつになったらまた異国の地を訪れることができるのだろうか。空港に降り立った時に感じる、あの旅の高揚感をまた味わうことができるのだろうか。例えば、タイでは南国特有のねっとりと肌にまとわりつく湿気と果物のような甘い香りが漂い、ロサンゼルスではカラッと乾いた空気の中を心地よい微風が流れる。そんな空気を感じた瞬間、ああやって来たなあと一気に旅の気分が盛り上がり心躍る。
 
そして街へ出た時に感じる、まるで物語の舞台に足を踏み入れたような感覚。例えば、ニューヨークだったら、ベーグルやホットドッグをほおばり、5番街にタイムズスクエア―、ブルックリン、MOMAに自然史博物館、セントラルパーク、なんて場所を歩いているだけで、気分は映画や小説の登場人物になることができて、ジョン・レノンやルー・リードの曲が頭の中にリフレインする。
 
香港だったら、街を歩いていて早口の広東語が聴こえてくるだけで、ジャッキー・チェンにブルース・リーやミスターBooの映画の中に紛れ込んでしまったような気分になれる。ふと、もしここで自分が生まれ育っていたらどんな人生を送っていたのだろうかとか、このままここで暮らすことになったらどんな暮らしになるのだろうか、なんてことを考えてみたりする。夢に描いていた風景が昔の記憶を呼び起こし、好奇心を刺激する新しい発見に満ち溢れ、旅人であることを身に染みて実感できる。
 
そんな異国への旅が2021年になったらまた実現できるのかは分からないけど、トラベラーズとしては、旅の喜びとか楽しさはいつも忘れずに心に持ち続けていたいな。
 
トラベラーズファクトリーのサイトでお知らせしたように、12月11日、12日にエースホテル京都で、今年最初で最後のノートバイキングを開催します。
 
今年は2月のカフェイベントを最後にトラベラーズファクトリーとしてもリアルのイベントは行っていないし、当然海外でのイベントも開催していない。今もコロナ禍が続く中で、リスクを考えればイベントは控えるという選択肢は当然あるだろうけど、エースホテルと一緒に考えた結果、開催をすることを決めました。
コロナ禍の中でホテル業を営んでいるエースホテルのお力を借りながら、万全の感染予防対策を行い、こんな時でのイベントの在り方、楽しみ方を探していきたいと考えています。
 
この状態がいつまで続くのかは分からないけど、そのこととは関係なく、私たちの生活は続いていきます。
感染には気を付けながらも、生業を続け、食い扶持を得て、ささやかな楽しみや生きがいを失わずに暮らしていく必要があります。
 
こんな時だからこそ、できるイベントになればと思っています。参加者の方にはご不便をかけることもあるとは思いますし、大きな声で、ぜひ来てくださいとは言いづらいですが、皆さんと安心して楽しめる時間を共有できたら嬉しいと思っています。
 
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