2020年12月14日

夢のような2日間

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イベントが終わった日の翌日は日曜日。京都駅前のホテルをチェックアウトすると、サウナ好きのFさんが教えてくれた銭湯まで、歩いて行ってみることにした。久しぶりのイベントでたまった疲れをいやそうと、昼間からのんびりサウナに入っていると、すっかり満たされたような気分になって、もう後は喫茶店に行ってコーヒーでも飲んだら適当な時間に新幹線に乗って帰ろうかな、なんてことを思った。
 
夢のような2日間だったな。サウナに入っていると、イベントの時のことがしみじみと頭に浮かんできた。イベントの開催自体が久しぶりだったし、場所がエースホテルということもあって、今年は一度も行くことができなかった海外でのイベントのような気分を味わうこともできた。
 
エースホテルでは、これまでロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスでノートバイキングを開催してきた。そのイベントで、何よりも感動したのは、スタッフたちの気持ち良さだった。高級ホテルのような格式ばった礼儀作法ではなく、フレンドリーでフランクでありながら、同時に親密な温かさを感じさせてくれる心がこもったホスピタリティーこそがエースホテルの大きな魅力のひとつだけど、イベントを開催する際にもそれを大いに体感することができた。
 
さらに、僕らを同じ楽しみを共有する同志のように接してくれて、自分たちが大好きな音楽や舞台を盛り上げるように、みんなで一丸となってノート作りのイベントを楽しみながら盛り上げてくれた。イベント期間中、僕らはエースホテルの一員になったような気分になり、同時にエースホテルのスタッフもトラベラーズチームの一員になってくれているような気分を味わいながら、お客様を迎えることができたのはとても嬉しい体験だった。
 
今回、京都でノートバイキングを開催することになったのも、アメリカでのイベントの話を聞いていたエースホテル京都のイベント責任者のマギーさんから、ぜひそれを京都でと、僕らに声を掛けてくれたことがきっかけだった。その過程で、マギーさんはHinaさんと僕の絵をノートの表紙にしようと提案してくれた。
 
さらにコロナ禍で密にならないように天井が高く広々としているロビーのスペースを快くイベントのために提供してくれ、入口できちんと一人一人、検温と消毒をしながら運営しているエースホテルと一緒だからこそ、この時期においても開催することができたということもあった。
 
イベントでは、Hinaさんにマギーさんをはじめエースホテルのスタッフは終始イベントのことを気にかけ、何度も会場に足を運んでくれたし、本当に楽しそうにノートを作ってくれた。そんな姿にトラベラーズファクトリー京都のスタッフに僕らもフレンドリーな雰囲気の中で、たくさんのお客様を迎えられることができて、ほんとうに楽しい時間を過ごすことができた。
 
「これはMD用紙といって、万年筆でも鉛筆でもとにかくたくさん書きたい方にはおすすめの紙ですよ」
 
「いろいろな紙が入っていると、日記を書いていても、その日の紙の色や質感で気分が変わるから楽しいですよ」
 
なんて話をしながらお客様が真剣に紙を選ぶ姿を見ているだけでも楽しいし、最後にリング職人が綴じてノートが完成した時の嬉しそうな姿を見ると、自分たちの仕事が多少なりともお客様に感動や喜びを与えられているのを実感できて、今までいろいろあったけどがんばってきて良かったなあと素直に喜ぶことができた。
 
イベント初日は、はじめてエースホテル京都に宿泊した。部屋には、ニューヨークやロサンゼルスのエースホテルと同じようにレコードプレイヤーが置かれているので、トラベラーズファクトリーから展示用のレコードを何枚か持ち込んで聴いた。
 
だけど京都が他のエースと違うのは、柚木沙弥郎のアートワークが飾られていたり、ミナ ペルホネンのカーテンに加えて、MD用紙を使って流山工場で作られたゲスト用の便箋やメモパッドが置かれていること。既に何度かサンプルを見てはいたけれど、あらためて部屋に置かれている姿を見ると、今までは遠くの友人のような存在だったエースホテルが、ご近所の深い付き合いをする仲間になったような気分になり、なんだか海外深い気持ちになった、
 
「お客さんもたくさん来て喜んでくれたし、私たちも楽しかったし、ほんとうに最高のイベントだったね」片づけが終わり、トラベラーズファクトリーでみんなで記念撮影をすると、マギーさんとHinaさんがそう言ってくれた。「次はもっと楽しいイベントにしましょう!」僕も嬉しくなってそう答えた。
 
さて、そんなことを思いだしながら、サウナを出ると、喫茶店に入り、コーヒーを飲みながら、トラベラーズノートにイベントのことを描いてみた。やっぱりイベントは楽しいな。まだコロナ渦の終わりは見えないけど、そんな中でもできることを少しずつでも増やしていきたいな。そんなことを想いながら絵を描いた。
 
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