2024年11月 5日

USA ROAD TRIP at Intertrend in Long Beach

 ロサンゼルス、最初の朝。空は抜けるように青く、カラッとした陽気。ほのかに頬に感じる秋の冷たい空気が心地いい。ホテルを出て5分ほど町を歩くとベーグル屋があった。ずらりと並んだベーグルの香りに誘われ、そこで朝食を取ることにする。

 オーダーしたのは、クリームチーズと生ハムのベーグルサンドとコーヒー。悩みながらゆっくりオーダーする僕らに、お店のスタッフは忙しそうなのに笑顔を絶やさず対応してくれる。レジで渡されたカップに、セルフサービスでコーヒーを入れる。一口飲むと、想像通り薄めのアメリカンコーヒーで、思わず笑顔になる。そんなタイミングで、薄紙に包んで渡されたベーグルがテーブルに置かれる。セサミのベーグルを一口かじると、たっぷり入ったクリームチーズが脇からはみ出てこぼれそうになる。うん。おいしいね。思わずそんな言葉を口にした。

 ベーグルサンドを半分食べ終わると、テラス席へ移動してコーヒーを飲みながら残りを食べた。あれから30分も経たないのに、ホテルを出た時間よりも空気が暖かい。なんとか残りの半分を食べ終わると、ボリュームたっぷりのベーグルによる満腹感に、ああ、アメリカに来たんだなあとあらためて思った。

 この日は、夕方からはじまるイベントの準備の前に、少しだけロサンゼルスのお店をリサーチすることになっていた。ロングビーチからダウンタウンに向かう高速道路で、ドジャーズの優勝パレードの車に遭遇。大谷も山本も見つけられなかったけれど、それだけで気分が上がる。この日は36年ぶりの優勝パレードということで、町のあちこちでドジャーズのユニフォームを着た人を何人も見た。背番号17の大谷のユニフォームもたくさん見ることができた。パレードのせいで、何度か渋滞にはまって、予定よりも足を運ぶお店の数は少なくなってしまったけれど、それはそれで貴重な体験となった。次にロサンゼルスを訪れる機会があれば、この前に来たときは、ドジャーズの優勝パレードでね、なんてことをきっと言うんだろうな。

 予定より少し遅れて夕方5時、ロングビーチに戻りイベント会場に着く。煉瓦作りのビルの1Fの広々とした空間は、イベントには十分すぎる広さと素敵な雰囲気。会場では、朝からアメリカのスタッフがすでに会場の飾り付けをしてくれていた。早速僕らも彼らに加わり、まずはノートバイキングの準備のために、テーブルにお皿と紙を並べた。

 入り口を入ると、まずはノートバイキングコーナー。さらに奥にはUSA ROAD TRIPエディションをはじめとした商品が並ぶ。壁に設置された巨大なモニターには、スタッフによるロードトリップをテーマにした映像が流れ、各所にUSA ROAD TRIPのデザインをもとにした看板にフラッグが飾られている。さらに、アメリカの仲間として、Bel Canto Booksの書籍コーナーとハーバード氏が扱う日本の商品も並んでいる。すばらしい空間にすっかり満足した。

 一通り準備が終わると、会場を提供してくれたIntertrendの代表、ジュリアさんの招待で、イベントの決起集会のようなディナーをいただいた。TRAVELER'S DINNERと記されたスペシャルなメニューの料理は、どれもすばらしく、翌日のイベントに向けて、たっぷり元気をもらった。

 そして、イベント当日。開始時間の1時間前に会場に入り、最後の調整を行う。一段落して、会場の外に出てみると、なんとオープンを待つお客さんによる列が見えた。その後も、準備をしながら何度か外に出る度に、お客さんの数はさらに増えていく。50人くらいまでは数えることができたけど、それ以降は数えるのを諦めた。

 そんな感じでお客さんによっては、かなり長くお待たせしてしまった方もたくさんいたけれど、みんな笑顔で、ノート作りを楽しみ、USA ROAD TRIPアイテムを手にしてくれた。会場にいる方はみんな、トラベラーズノートを思い入れを持って使ってくれているのが分かる。中を見せてもらうと、それぞれの旅の思い出とともに紙面に描かれたイラストや貼られた写真のことを説明してくれた。その中にトラベラーズファクトリーのスタンプやショップカードもたくさん見つけることができた。

 アメリカらしく人種もさまざまで、服装も年齢もさまざまな人たちだけど、誰もがトラベラーズノートを愛情たっぷりに使ってくれている。そんな方々が、ひとつの場所に集まり、楽しく幸せな時間を過ごしている。まさにこの場所が、LOVE AND TRIPな空間になっているのを実感できた。

 その後もリング職人は休む間もなくリング綴じを続け、僕らも一日中バタバタと忙しく駆けずり回り、あっという間に終了の時間を迎えた。僕らはヘトヘトに疲れたけれど、7年前にロサンゼルスで開催したイベントと比べると、その人数も熱量も大きく上回る反響に、喜びと充実感に包まれた。トラベラーズノートが生まれる前には、映画と音楽などで影響を受けた憧れの存在でしかなかったアメリカという国が、ずっと身近に感じられるようになった気がする。すごいな。

 そんなわけで、トラベラーズカンパニーキャラバン USA ROAD TRIP。まずは最初の旅先、ロサンゼルスでのイベントを無事に終え、今は、次の旅先、サンフランシスコに向かっている。夢のサンフランシスコ、楽しみです。