2009年1月13日

そろそろトラベラーズノートについて... 1

何度か書いていますが、今年3月、トラベラーズノートが発売して3周年を迎えます。3年ってけっこう節目の年だと思います。中学校も高校も3年で卒業。恋愛も仕事もとりあえず3年続けないと分からないって言うし。
 
今も思い出すのは、2006年3月トラベラーズノートを発売した時のこと。発売後の初めての土曜日、ヴィム・ヴェンダースの映画を見るため、銀座に行きました。そして、映画館に入る前に当然のように伊東屋さんを覗くことにしました。ちょっとドキドキしながら、1Fから上へ上がっていく。すると、4Fのデザイン系ステーショナリーが並んでいるなかに、トラベラーズノートを見つけることができました。こちらから提供した木の板を組み合わせた什器に、きちんと並べてくれていました。
 
サンプルをさわってみたり、整えたてみたり、在庫を数えてみたり。誰かが売り場に立ち止まり、手にとっているのを見ると、祈るような気持ちで遠くから見ていたりしました。
 
今だから言えるけど、この什器だって、100円ショップで買った木の板に写真を出力した紙を貼った手作りのモノ。黒く焼きの入った板だったので商品が汚れないように、みんなで1枚1枚布で拭いたりしたんだよなあ。リフィルを並べていたのは、これも100円ショップで買った木の皿立て。発売目前まで、なかなか数が揃わなくて東京中の100円ショップめぐりをしてなんとか揃えたり。少ない予算で出来る限りカッコいいディスプレイを、と考えた苦肉の策でした。
 
映画を見終わった後に、また伊東屋さんに寄りました。もう一度置いてある数を数えて、売れた数を確認してみたりしました。自信たっぷりでプレゼンして、120%の思いを込めて発売まで迎えたけどやっぱり不安がありました。
 
ほんとうに3000円以上するノートが売れるんだろうか?
他社と互換性のないサイズと仕組みで、買ってくれるのだろうか? 
自分が感じているこの商品への思いがちゃんとお客様に伝わるのだろか?
 
そして、発売して何日か過ぎると、営業から「売れてるよ」って言う声を聞くことができるようになりました。さらに、インターネットで検索してみると、買っていただいた方がブログにトラベラーズノートのことを書いた記事を見つけることができました。
 
ブログのなかの「ぐっときた!」「こんなノートを待っていた」という声、さらに、長い旅に出る方が「このノートにいろいろな思いを書いていきたい」という意味のことを書いていたり。そんな記事を読んでいると、胸がいっぱいになって不覚にも涙が出てきてしまいました。 新しい何かが始まっていく予感が満ちてきました。
 
そろそろトラベラーズノートについての発売までの経緯や思いを、少しずつこちらで書いていきたいと思います。
 

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