2009年2月25日

そろそろトラベラーズノートについて3


 
そして、ISOTのコンペ。
 
トラベルジャーナルノートという名称を付けて展示しました。その名称を付けた理由は、タイの旅での出会いがきっかけで生まれたからということと、私自身が旅が好きで、そのノートを見た瞬間旅を感じて、旅に使いたいと思ったからです。ディスプレイ横のコピーは、こんな風に書きました。
 
「風合いのある革でシンプルなノートを作りました。手にとって旅に出たくなるノートです。」
 
コンペの結果は、人気投票と、その会場で、実際にテスト販売した数量で決まります。他のノートは300円~500円で売られているなかトラベルジャーナルノートは2000円で販売することに。他のモノと一桁違う価格で、本当に買ってもらえるのか不安の中でのスタートでした。
 
そして、結果は2位という好結果。用意した商品はすぐに売り切れてしまいました。期間中は、来場者の方々の声を聞くこともできました。例えば、プロフェッショナルユーザーに登場していただいている土橋さんには、そのとき初めてお会いしました。トラベラーズノートに投票して頂いただけではなく、実際にテスト販売の商品もお買い上げいただきました。さらに、直接お話をする機会を得て、うれしくなるようなコメントをいただきました。
 
当時雑誌「DIME」の編集長だった松元氏は、配っていた投票用紙ではなく、ご本人の名刺を投票口に入れてくれました。後ほど、その名刺を便りにホームページ開設の時にはプロフェッショナルユーザーに協力いただきました。
 
また、売れ切れてしまったあと、ある年配の女性が残念そうな表情を見せて、こんなことを言ってくれました。
 
「旅に出たときに、いろいろ描いたりしたら楽しそうなノートなのに、残念だわ。実際に発売してくれるといいんだけど・・・」
 
この革のノートが醸し出す佇まいや雰囲気には、人々の心を捉える力があるのかもしれない・・・。自分自身がサンプルを見た時、さらに使ってみて感じていた、そんな思い。同じ思いを感じてもらえる方々が他にもたくさんいることを知って、大きな可能性を感じました。
 
このコンペを実施したのが、2005年7月。実際にトラベラーズノートが発売する2006年3月の8ヶ月前のことでした。