2009年5月14日

諏訪の温泉でハマムを思い出す。


 
バイクで雨の中を震えながら走っていると、温泉は砂漠の中のオアシスのように感じます。松本に向かう一歩手前の街、諏訪を走っていると雨はさらに強まってきました。ハンドルを握る手は凍え、歯が自然とガチガチと震えてきました。松本まではもう少しですが、諏訪は温泉地。お風呂に入って休むことにしました。
 
地図を見ると、片倉館というところが有名らしく行ってみました。時代を感じる洋館のような建物は、温泉というよりはまるでホテルか美術館。今まで入った温泉とは違った佇まいに、そのお風呂への期待が高まりました。館内の説明を読むと、戦前シルクの輸出で財を成した片倉家が、地域住民のための文化福祉施設を作りたいと、昭和3年に竣工したとのこと。
 
早速お風呂場に入ると、大理石造りのお風呂に古代ローマ風の彫刻、ステンドグラスなどの装飾がなされています。新しいものだと安っぽくなるのでしょうが、80年前に作られた歴史とあいまって、とても雰囲気のある素敵なお風呂でした。
 
タイルの床でごろんと横になっていると、ずっと前に行ったトルコのハマムを思い出しました。ハマムは、トルコにあるモスクのような建物の蒸し風呂です。温かい大理石の上に横になって、汗を流します。
 
トルコを旅行中はよくハマムに入りました。小さな街にもあって、銭湯のように庶民の憩いの場になっています。お風呂上がりの休憩所では、よく現地の方からお茶をおごったりしてもらったのを思い出します。言葉も通じないのですが、海外から来たことが分かると実に自然にさり気なくおごってくれるのです。
 
お風呂は、体だけでなく気持ちまで温かくしてくれます。温泉を出ると、また雨の中を走っていく元気が出てきました。