2009年7月21日

BOOKS & CO.


 
ニューヨークにあった小さな書店、Books & Company(本と仲間たち)の物語。本を愛して止まないオーナーとその想いに共感し集まって来たスタッフ、そして、そんなお店を愛するお客さんや作家達との交流を綴っています。
 
本が好きなだけの素人の女性が、本とそれにかかわる人々への想いだけを頼りに本屋を作り上げていく。そして、多くの人々から愛されるお店にしていく。その過程は、これから何かを初めようとしている人達には、とても勇気を与えてくれます。
 
90年代に入り、大手ブックチェーン店の台頭や、店舗賃料の高騰などによって、20年の歴史に幕を閉じてしまいます。しかし、その時にウディ・アレンから発せられたメッセージが、この書店が人々にとって、とても大切な存在であったことを伝えてくれます。私は、ブックスアンドカンパニーのような本屋さんで本を買いたいです。
 
仕事柄もあるのかもしれないけど、お店を見て歩くのはとても好き。そんななかで、自分の感性にぐっとくるお店を見つけたときは、本当に胸がワクワクし、嬉しくなります。どんなお店にぐっと来るかと考えると、その全体をまとめる強い世界観とあわせて売り手の想いと作り手の想いが伝わってくるようなお店です。
 
大抵のそんなお店は大手チェーンよりも、独立系の店舗だったり、個人やチームの個性が色濃く出た店舗のことが多いです。その魅力は、資本力に基づいた計算されたマーケティング力や巨大な販売力による仕入れパワーなど簡単に飛び越えてしまうのです。例えば、文具業界で言うと、店舗の立地がまったく販売力に影響を及ぼさないネット通販で成功しているお店の多くが、地方の独立系のお店であることも、同じ理由だと思います。
 
昨今の不況によって、価格訴求力が求められる割合が高くなると、必然的に販売ボリュームが大きい大手チェーン店のシェアが高くなっていく傾向があります。もちろん価格訴求力やさまざまな利便性は、小売業にとってとても大切な要素であるし、わくわくさせてくれるチェーン店もたくさんあります。
 
こんな時だからこそ、私はきちんと想いを表現し、こちらの感性を揺さぶり、文化的な発信をしているお店で買うようにしていきたいと思います。すべての商品は無理でも、長く大切に使いたい感性を刺激する商品は、好きと言えるお店で購入していくようにします。
 
だって、いつまでもお店は私たちをわくわくさせる場所であってほしいですよね?
 

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