2009年7月 9日

Goodbye STUDIO VOICE


 
雑誌「スタジオボイス」が休刊になるとのこと。サブカル雑誌の代表みたいな存在で、20代の頃はけっこう頻繁に買って読んでいました。デザイン、映画、音楽、文学などを年代やテーマごとにアンダーグラウンドな視点で深堀りしていく各号の特集は、インターネットがない時代には貴重な情報源でした。
 
当時、東北で営業職をしていた自分にとってこの雑誌を手に取ることで、時代との接点を持っている気分にさせてくれる、そんな雑誌だったのだと思います。トラベラーズノートを作り上げていく過程で、本棚から「スタジオボイス」のビートジェネレーションの特集号を取り出して、参考にしたりもしました。
 
しかし、最近は本屋で見かけてもパラパラとめくるのみで買うこともなくなってしまいました。5月には「エスクァイア日本版」が休刊になり、前にここで紹介した「ダイアリーズ」も休刊、そういえば斬新なデザインがかっこ良かった「ブルータストリップ」は最近見ないし。
 
ネットの普及による部数の落ち込みや、最近の不況で広告収入が減ったことが休刊の理由のようですが、気に入っていた雑誌が次々なくなっていくのは、やっぱり寂しいものです。ネットがない時代に育ってきた私たちにとって、雑誌は新しい世界への扉を開いてくれる貴重な情報源でした。中学高校時代には、雑誌を買うことが、その世界に足を踏み入れる第一歩だったような気がします。
 
「FMファン」は、より多くの音楽に触れる機会を作ってくれたし、さらに「ロッキンオン」は、ロックは生きる姿勢でもあることを教えてくれました。バイク雑誌「モーターサイクリスト」は、バイクに乗れない年齢の時、舐めるように読んでいたし、「アウトライダー」でバイクツーリングの魅力にはまっていきました。「宝島」や「ポパイ」は、学校では教えてくれないカルチャーがあることを僕たちに教えてくれました。他にもカメラ、アウトドア、釣り、コンピューター、旅、新しいライフスタイルなど雑誌はいつも新しい世界へ僕らを導いてくれました。
 
まだまだ、世界観をきちんと作り込んだ定期購読したくなるような雑誌や、わくわくする特集を提案してくれる雑誌もあります。最近は、リトルプレスなどのインディーズな小冊子が増えていたりもします。紙の質感や雑誌だからこそできるレイアウトなど、PCの画面では伝えられない世界を伝えるメディアとして、雑誌にはまだまだ私たちに必要なメディアだと思います。
 
 

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