2009年9月 8日

赤塚不二夫展


 
先日、赤塚不二夫展に行って来ました。赤塚不二夫氏が昨年の8月2日に亡くなったのは、まだ記憶に新しいと思います。

赤塚不二夫と言えば、やっぱり「天才バカボン」。あのシュールでナンセンスなギャグの世界は、少年時代に原作を読んだり、アニメを見た人達の人格形成に大きな影響を与えているはず。

アニメでは多少スポイルされていますが、原作は過激で実験的な作品がたくさんあります。今回の赤塚不二夫展は、その部分にもきちんと焦点をあてていました。左手でぐちゃぐちゃに描いてみたり、1ページ毎にバカボンやパパの顔を大きく描き、原寸大で描いてみましたという作品があったり、描くのが面倒になったと、空白のコマがいっぱいある作品があったりするのですが、それらは、まるで筒井康隆氏の実験小説のように
シュールで挑戦的。今回はその生の原稿も展示されていました。

正直言うと、少年時代にはなんだかよく分からず、適当なコトやってるな~なんて思ってたのですが、今見るとギャグ漫画というメディアの在り方の限界をぶっ壊そうとする赤塚不二夫氏の過激なパワーを感じます。そもそも、このバカボンという名前の語源は英語のバガボンド(放浪者)からきていて、バカボンパパこそ生粋のFree Spiritを持つトラベラーなのです。

また今回の展示では、その過激さの行き着いた先である作品「レッツラ・ゴン」まで、きちんと紹介していました。「レッツラ・ゴン」は、赤塚氏が一番好きな漫画と公言していますが、もっとも下品でくだらなく過激で暴力的な作品です。(もちろん良い意味で!)
 
あと、もうひとつ気付いたのが、赤塚不二夫氏のキャラクターデザインの素晴らしさ。シンプルでありながら、実に個性的でキャラが立っています。あのアメリカ発の夢と魔法のテーマパークのパロディーで、下品でナンセンスの楽園を作ったら楽しそう。

主役のキャラクターは、猫のニャロメ。クマは、レッツラ・ゴンのベラマッチャ。他にもケムンパスやウナギイヌなど動物キャラもたくさんいるし。シンボルのお城の代わりは、バカ田大学。パレードは、バカ田大学の校歌を歌いながら、これらのキャラクターが殴り合って進んでいく。最後は、目ん玉つながりのお巡りさんがピストルをぶっ放し、その後ろをレレレのおじさんが掃除して歩く。なんてね。
 

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